ホテルのトビラは古く歴史を感じさせるが、意外と立派で、そして重い グッと力を入れて開けると、まず壁の一辺に一つのドアが見える 入る前は二階建てのようだったが、一階しかないようだ
見渡してもドアは一つしかない 「ようやく来たか。予定より遅かったな」 不意に声が聞こえて、俺の体がビクリ、と反応した 俺がキョロキョロと辺りを見渡していると 「随分と失礼なやつだな、貴様は。ここだ。ここ」 またも声が聞こえて分かる 声の持ち主は俺の斜め下にたのだ 「全く、せっかくこの私があれこれしてやろうと思っていたのに。貴様というやつは」 白いワンピースを着た幼い声の幼い少女は不機嫌そうに、長く垂らした茶色い髪 をいじっている (子供? 変な話し方だな) 「何か言ったか?」 俺の心を読んだかのように、幼い少女が大きな目を細めて言った 「お嬢ちゃん。一人かい?」
ここは大人の対応をしなければな
「お嬢ちゃん? 言葉に気をつけろ」
俺の片方の眉毛が無意識にピクッと動いた 黙っていれば天使にすら見えるが、小生意気な子供だ 「まぁいい。一応確認するが、アレックス・クローチェだな?」
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