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作品名:たなかの観察 作者:たなか

第1回   一回
たなかは洗面台の前に立って自分の体を観察した。
顔からへそにかけて、シミやらほくろなどが目立っている。
一日中アーモンドチョコレートやマカダミアナッツを食べていた。
ビタミンeを摂取していればほくろは出来にくいと思っていた。
普段ティーシャツの下に隠れたその部分は、あまりにも彼を悲しませ困惑させた。










どうして良いかわからなかった。










マックのノートパソコンの前に座って、このサイトを見つけた。
たなかの事を書いてやろうと思ったのだ。










疲れた。







それだけ書いて投稿しようと思ったが、全角換算で500字ないと投稿できないらしい。
これは困ってしまった。いくらスペースを空けても意味がないじゃないか。
一瞬やめてしまおうかと思った。
でもそれは、一瞬やめてしまおうかと書いている最中の事だ。

たなかはそう思った。

たなかの事を書こう。

たなかの家族は三人だ。
年齢は覚えていないが、50近くの母親と30近くの腹違いの兄貴だ。
父親は癌で亡くなった。

年齢の不正確さについて謝罪しなければいけない。
もちろん僕はたなかではない。
なので彼の母親だか兄貴の年齢については彼に連絡を取って聞かなければ行けない。
時間を考えてみてほしい。
夜の十二時を回ろうとしている。
迷惑だろ。

いや、本当の事を言うと興味がないのかもしれない。
親父が死んだときだってそうだった。
なけなかった。

母親も祖母も泣いていた。
兄貴なんか、狂った様に泣いていた。
アホみたいに、馬鹿なやつみたいに。
その時僕は憔悴しきっていた、イライラしていた。
全くなかなかった。
悲しくなかったのかも知れない。
興味がなかったのかもしれない。

きっと僕にとって僕が一番だからだ。
他人なんか関係ないのだ。



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