ザクトへの行路の準備がせわしなく行われていた。
結局あの後、ナッシュや他の政務官とアルスは口論に近い言い合いがされたが、王の絶対的な命令とごり押しされ アルスのザクト行きは強制的に決められた。
アルスのザクト行きに含め、行路への使者が選抜された。 今の政権に入る前から外交官に付いていたジール含め6名の外交官が選出された。 外交官を護衛するとして、シグナス含めた親衛隊が外交の一員に選出された。 親衛隊の護衛は、建前上外交官の護衛だが、本来の名目は、アルスの護衛であるのは誰の目にも明白だった。 ナッシュから、親衛隊に対し、アルスから絶対に目を離さないようと出発までの間、何度もキツク言いつけられていた。
外交に際し、事前に、訪国について書状にしたため正規の関所を通し、ザクトに送られた。 他国への訪問は前王が倒れて以来、実に6年ぶりの行為であった。
ザクト側にしても、突然の来訪に驚かずにはいられなかった。 ノイエの新王の事は、央国から来る情報程度の知識しかなかった。 央国の情報と言っても、央国への報国を行っていたのは、かの”ザベル”である。 偏見と欺瞞に満ちた言葉を央国に伝えている。 その言葉がそのままザクト内に伝わっているため、あまり良い印象を持っていない。
正直な話、ザクトとしては、ノイエの外交に了承したくは無かったが、 隣国への手前、無下に断る事も出来ずノイエの外交の許可を下した。
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