二階の伸也の部屋には、拓也、大介、ユキが部屋で待機していた。 ドアが開けられ、伸也が部屋に入ってきた。
「お待たせしました。今、夕食を作っている最中です。もうすぐ出きるから手を洗って待っていろとの事ですよ。」 「前置きはいいよ。ココに集められてどうするんだ?犯人、見つかったのか?」
「ええ、まぁ。」 「誰だよ。」 「それは、今はまだいいでしょう。それよりも、私の予測が正しければ、今日の夜3人目の被害者が出ます。 そうなる前に、犯人を捕まえます。皆さんも協力してください。」
協力の言葉に、皆一様に同意した。 伸也は、人差し指を立て、 「一つ、守っていただきたいことがあります。」 そういい、声を立てないように極力小さい声で話をすると、3人はばらけて部屋から出て行った。
夕食。 食堂に集まらずに、部屋に篭っている者も多かった。 さすがに、遺体が置かれていたテーブルで食事をする気にはならないようである。 そんな状況の中、黒田は、不平の一つもこぼさずに当たり前のように夕食を作ってくれていた。
食堂に来なかった人間には、拓也達が手分けしてそれぞれの部屋に配っていった。
夕食のメニューは、親子丼と味噌汁だった。半熟の卵がキレイに鶏肉の照りを作っていた。 湯気が立ち込める中、皆、ハフハフと美味しくいただいた。
食事が終わると、後片付けを済ませ、解散となった。 伸也は、大きなあくびを一つすると、 「今日の出来事も鮮明に残っていますし、体の調子が悪い人もいるようですから、早めに就寝しましょう。 戸締りは忘れずに。」 と言うと、それに同意するように、皆、各自の部屋に戻って言った。
そして、二日目の夜同様、河北、ユキ、黒田、伸也がいる中、食堂の施錠を済ませ、各自部屋に戻っていった。
|
|