食事を終え、伸也は一度部屋に戻るといって、俺達の側から離れた。 俺達は、俺達で、さっき伸也に聞いた話をユキ達に聞かせた。
にわかには信じられない話と、更なる悲しみに誰もがすすり泣きだしていた。 俺は、不意に、気づいた事があり、和彦に言い寄った。
「なぁ、和彦。大事な事だから、真面目に答えて欲しいんだ。」 「なんだ。。」 「お前、”血”嫌いか? 俺の言葉に、和彦は、え?という顔で、俺の顔を見た。 「血だよ。血。苦手か?」 典弘は、不思議そうな顔持ちで、 「何いってんだよ。拓也。いきなり、変なこと言ってんじゃねぇよ。」 「マジな話だって。和彦。どうなんだよ。」 和彦に、俺の熱意がわかったのか、元気の無い声だったが、はっきりと、 「何で、知っているんだ?誰にも言ったことないのに。」 その言葉に、俺は大介と顔を見合わせ、 「やっぱり、そうなんだ。」
「どういうことだ?」 典弘は当然のごとく聞き返した。 「伸也が、言ったんだ。和彦が、犯人は有り得ないって。血の苦手な彼が、あんな犯行をする事は無いって。」 その言葉に、大介が合いの手を入れるように、 「俺達、一様に友子の姿は見ている。でも、お前は見てないんだろう。それは、血が苦手だから見れないんじゃないかって。」 「。。。。うん。」 「やっぱり。とりあえず、和彦の無実は立証されたよ。あと、解っている事といえば、犯人は男だってこと。」 俺のポツリと言った言葉に、典弘が食いつくように詰め寄り、 「はぁ?男。なんだよ。それ。じゃあよ、大介でも拓也でもなくって、和彦は絶対無いって言われたら、俺って事じゃないか。 俺が犯人だって言いたいのかよ。」
「違う。典弘があんなことをするなんて全く思ってないよ。」 「じゃあ、誰なんだよ。俺じゃなくて、友子の事知ってて、男って。」
「それが解らないんだよ。」 「なんだよ。死刑宣告される一歩手前ってことかよ。」 「違う。典弘じゃないってことは、俺達が証明する。その上で、誰が犯人かも突き止める。絶対にだ。」 俺は、皆の前で固く力強く誓ったが、ただ、俺の力だけで解決することは出来ない事は、おれ自身が十分にわかっていた。
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