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作品名:純白の悪意 作者:xin

第4回   第04話 大介・伸也
大介は、拓也が部屋から出て行くのを見て、黒男の方に振り返ると、
「君が、言ったことは解るよ。俺だって、警察に任せた方がいいと思っている。
でも、拓也の気持ちもわかるんだ。あーいう奴だから、深く考えて言ったわけじゃない。
友達を大事にしている奴なんだ。
出きるかどうかと言われたら解らないけど、俺は拓也の気持ちを優先したい。」

黒男は、大介をジッと視線を変えず見ていたが、突然笑い出した。
遺体の前でなんて不謹慎なと思える程、大きな笑い声だった。そんな笑い声も唐突にピタリと止めると
「オモシロイ。実にオモシロイ。拓也君は直情的で、感情的。
対して大介君は冷静沈着で思慮深い。なんとも対照的ですね。
対照的だからこそ親友になれるものですか。実に興味深い。
お2人の考えはわかりました。
この雪のお陰で、今日警察が来れる保障はありません。
差し支えなければ、お手伝いしますよ。」

「いいのかい?君には無関係な事だよ。」
「無関係だからこそ、冷静な意見が出来ます。感情に流されず物事を見極めるには大事かと。」
大介は、拓也が言うほど、冷たい奴ではないのではと思いつつ、
この奇妙で親切男の好意を素直に受け入れようと思った。
「ありがとう。。。。。ところで、君の名前は何て言うんですか?」

黒男は、軽く微笑み、
「いつまでも、黒男とは呼べませんよね。」
その声に、大介はあわてたように、
「知っていたんですか。参ったなぁ。呼び始めたのは拓也ですから。」
「別にかまいませんよ。僕の名前は、伸也です。安原伸也。」
「じゃあ、伸也君でいいですね?」
「ええ。では、どうしましょう?」

「どうするというと?」
「犯人を捜すということでしたので、まずは、状況を把握し、殺害の動機や、証拠などを探すのが順当な流れですね。そこから始めますか。」
「ああ、そうですね。」

「さて、殺された時間ですが、どうしましょう。医者とかいてくれればいいのですが。」
「医者ですか。。。。あ、亮介さんが医大生です。」
「医大生ですか。都合がいいですね。では、彼に頼みましょう。
ああ、ついでに拓也君も呼んできてください。」
「わかった。」


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