「寒うぅ。雪が凄いなー。バスの中が暖かったから全然分からなかったけど、寒ぅ。」
見渡す限りの雪。山も木も白く色を変え、悠然とそびえているのが見えた。 外泊旅行は、スキーツアーである。雪が多くて当たり前なのだが、予想に反した雪の量に面食らう一同。 「今年は暖冬だって言ってたけど、ある所にはあるんだなー。」
「さぁ、早くチェックインをしよう。すぐにスキーを始めるんだろう。」 亮介は、バスから荷物を出し、皆に配りながら、呼びかけた。 俺は、亮兄ぃから荷物を受け取り、チェックインするためにペンションに入った。 今回のツアーの宿泊場所は、ロッジにも似た木で出来たペンションである。 高級そうなホテルや旅館よりなんか、馴染める感じがした。
「なんか、いいね。オシャレで。」 「拓也の割りにいい所、選んだね。」 「どういう意味だよ。俺の割りって。」 「言葉どおりだって。拓也、趣味悪いもん。」
口々に、俺の悪口をいいつつもペンションには気に入ってくれたようで、悪い気はしない。 ペンションに入ると、すぐにオーナーが俺達を迎えてくれた。
予約の確認をしつつ、入室登録を行い、部屋の割り当てが決まった。 俺、大介、和彦、典弘 亮介、根津、全身真っ黒男 ユキ、恵子、友子、由香 という感じになった。
早速、皆は荷物を部屋に置き、スキーの為の着替えを行い、待ち合わせ場所に行った。 皆さまざまな色のスキーウェアに身をつつみ、準備も万端だった。 「あれ?亮兄ぃ、根津って奴と、あの黒男は?」 俺は二人居ない事に気づいて、亮兄ぃに聞いてみた。 「黒男って、誰だよ。ちょっと不謹慎だぞ。 彼らは来ないよ。1人は、早々参考書を広げて勉強を始めたし、 もう一人の彼は、荷物を置くとさっさと部屋から出て行ったからね。」 それを聞いて、そばに居るもの同士、顔を見合わせながら、 「勉強を始めたって、何しに来たんだ?」 「しょうがない。行こうか。」 俺は、待っても来る気配の無い彼らを尻目にスキーをしに行った。
山では、スキーをするのに十分な雪があった。 皆、スノボをしたり、スキーをしたり、夜遅くなるまで遊びまくった。 散々、遊び夕食の時間になる頃、全員ペンションに戻った。
ペンションでは、すでに夕食がテーブルに並べられ、根津と黒男は席について食事をしていた。
俺達は、着替えをしてから、そのままテーブルにつき、食事を始めた。 食事中も、昼間の出来事を振り返り談笑しながら楽しい食事をとった。
食事を終えた後、ペンションに備えられた温泉につかり、 人心地つくと、皆示し合わせたように俺の部屋に来て、皆で楽しく談笑を始めた。 中学生だった頃の話や、高校になってからの話。様々な思い出に楽しく時間も忘れてしまった。
夜になり、就寝時間になったので、各々眠りに入ったが、俺たちは懐かしさから夜も遅くまで喋っていたが、 12時過ぎた頃に、皆それぞれの部屋に戻り寝た。
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