20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:純白の悪意 作者:xin

第2回   第2話 一日目・ペンション
「寒うぅ。雪が凄いなー。バスの中が暖かったから全然分からなかったけど、寒ぅ。」

見渡す限りの雪。山も木も白く色を変え、悠然とそびえているのが見えた。
外泊旅行は、スキーツアーである。雪が多くて当たり前なのだが、予想に反した雪の量に面食らう一同。
「今年は暖冬だって言ってたけど、ある所にはあるんだなー。」

「さぁ、早くチェックインをしよう。すぐにスキーを始めるんだろう。」
亮介は、バスから荷物を出し、皆に配りながら、呼びかけた。
俺は、亮兄ぃから荷物を受け取り、チェックインするためにペンションに入った。
今回のツアーの宿泊場所は、ロッジにも似た木で出来たペンションである。
高級そうなホテルや旅館よりなんか、馴染める感じがした。

「なんか、いいね。オシャレで。」
「拓也の割りにいい所、選んだね。」
「どういう意味だよ。俺の割りって。」
「言葉どおりだって。拓也、趣味悪いもん。」

口々に、俺の悪口をいいつつもペンションには気に入ってくれたようで、悪い気はしない。
ペンションに入ると、すぐにオーナーが俺達を迎えてくれた。

予約の確認をしつつ、入室登録を行い、部屋の割り当てが決まった。
俺、大介、和彦、典弘
亮介、根津、全身真っ黒男
ユキ、恵子、友子、由香
という感じになった。

早速、皆は荷物を部屋に置き、スキーの為の着替えを行い、待ち合わせ場所に行った。
皆さまざまな色のスキーウェアに身をつつみ、準備も万端だった。
「あれ?亮兄ぃ、根津って奴と、あの黒男は?」
俺は二人居ない事に気づいて、亮兄ぃに聞いてみた。
「黒男って、誰だよ。ちょっと不謹慎だぞ。
彼らは来ないよ。1人は、早々参考書を広げて勉強を始めたし、
もう一人の彼は、荷物を置くとさっさと部屋から出て行ったからね。」
それを聞いて、そばに居るもの同士、顔を見合わせながら、
「勉強を始めたって、何しに来たんだ?」
「しょうがない。行こうか。」
俺は、待っても来る気配の無い彼らを尻目にスキーをしに行った。

山では、スキーをするのに十分な雪があった。
皆、スノボをしたり、スキーをしたり、夜遅くなるまで遊びまくった。
散々、遊び夕食の時間になる頃、全員ペンションに戻った。

ペンションでは、すでに夕食がテーブルに並べられ、根津と黒男は席について食事をしていた。

俺達は、着替えをしてから、そのままテーブルにつき、食事を始めた。
食事中も、昼間の出来事を振り返り談笑しながら楽しい食事をとった。

食事を終えた後、ペンションに備えられた温泉につかり、
人心地つくと、皆示し合わせたように俺の部屋に来て、皆で楽しく談笑を始めた。
中学生だった頃の話や、高校になってからの話。様々な思い出に楽しく時間も忘れてしまった。

夜になり、就寝時間になったので、各々眠りに入ったが、俺たちは懐かしさから夜も遅くまで喋っていたが、
12時過ぎた頃に、皆それぞれの部屋に戻り寝た。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 2728