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「三隅さん…。俺、三隅さんのこと、す…すっ…、好きなんです。」 一瞬の間。
「ええ〜っ!!」 予期せぬ彼の発言に動じるあたし。 なーんて、これはウソ。演じてるだけだよん。
だって、本当は北原があたしに気があるってのはずーっと前から分かってたんだから。さ・い・しょ・か・ら。 けど、あたしはうつむいて恥ずかしそうに小さな声で返答する。 あえて。 そうした方が乙女にみえるから☆ 「え…えと、……あたしも…好きっ…」 「本当マジすか?では、さっそく…。」
そう言うなり、なぜか北原はあたしのほうに顔を寄せて来る。
ううん「なぜか」じゃない。これは私の目論み通り。 視界はみるみるピンク色に染まってゆき……ってピンクにもほどがあるよっっ! もう目の前一面ビビッドピンク…そんなーあ!!
ぷはあーあっ!!
目の前にはさっきのピンク、の上に見慣れた柄、そして数筋の懐かしいしわ。
ちぇっ。なんだ夢か。
どうやらあたしは枕に突っ伏してたらしい。 まぎらわしいぞ、このビビッドピンクやろー!
ていうか冷静に考えて見ればそんなに最初からうまく行くはずないじゃん。まだ数回しか会ってないんだし。
いきなり告白だなんて、ねぇ、いくらなんでもそんなことありえないじゃん。ばっかあ、あたし、ウブすぎーっ!
しっかし、やっと身の回りに現れたイケメン君、これを逃すなんて勿体なさすぎるっっ。
いーつか、ぜーったい彼氏にして見せるんだからっ。そんで、ゆりやキョーコにプリみせて自慢しちゃうぞーお!
うわー、あたし、にっくしょくーう!
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