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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第95回   愚痴の繰り返し
 同じ事の繰り返しで、私の頭の中は時が止まったままで、いっこうに進まないではないか。
収入がストップしてからの私の隠し金は、羽が生えたようにして飛んでいく。
二度と戻らないお金である。生活費として切羽詰って使うために貯めたんではない。
あくまでも、老後の生活のためである。
老後に少しでも余裕が欲しいと思ってのお金なのだ。
年金だけで暮らして行くのは大変な事。

 親なら誰しも思う。子供に迷惑を掛けて暮らしたくないと。
お金については、なお更そう思う。子供達は子育ての真っ最中で、自分たちの生活を維持するだけで精一杯。
仮に、ほんのわずかでも仕送りすると言われても、そのお金は使えるものではない。
子供からの仕送りを当てにするほど、堕ちては居ない。

 収入が無くなった時点で、自分の持っているお金がその内なくなってしまうと考えた時…

 常々おっさんに言って来た。

「私のお金が無くなったときには、私の命も無いと思って! 産まれる時は自分で選ぶ事は出来んけど、死ぬ時は自分で選べる。働く事を放棄したという事は、私に死ねと言うてるのと同じやろ。55歳で仕事を終わりにしたという事は、私への責任も放棄した事になる!」

 厚生年金の手続きも後一つ残されているのに、これも中途半端なままだ。
役立たずのクソオヤジを、着の身着のままで放り出したい心境である。
どんな仕事でもいい、少しの収入でいい。ゼロよりはまし。
みんなそうして、少しでも働こうと前向きに生きてるではないか。
私に理性がなくなった時の逆上した姿を想像しては、世間にある夫殺しを身近に感じている鬼嫁である。


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