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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第9回   そのU
 なので私は専業主婦という職業に就いてきた。
家を建てたからと言って働く気はさらさら無い。
せっかく建てた家で楽しんで暮らさないと意味が無いじゃないか。
専業主婦でも知恵を働かせてお金はそこそこ貯めた。

今までは全面的におっさんを信じて着いて来たけど、ちょっとずつ怪しくなって来た事を感じ始めた。
何をしでかすか分からん不気味さを持つおっさんを警戒しなければ…


 ちょうどこの頃に、旧ソ連ロシアの崩壊があり、国の様子が変わった。
一度に生活が変わり自由になった国なので、車を買う目的で日本海側のいくつかの港に大型の運搬船が入って来るようになった。

元々海の好きなおっさんは、この港でよく釣りをしていた。
そこでこの光景を見て、商売をして一儲けしようと考えたらしい。
中古車の販売だ。
どんなに古くても走ればいいような車、日本では廃車同然の車が大量に売れた。
古タイヤも、壊れた電器製品も何でも売れた。

以前車関係の仕事をしていたおっさんは、目の色変えて生き生きとロシア人相手に商売を始めたのである。
ロシア語も話せるようになった。
おっさんが生き生きと商売してる姿を見ても 私は喜んではいなかった。
こんな事いつまでも続く訳ない、すぐに行き詰るだろうと 先行きを心配していた。

こんな風にして調子よく始まった新天地での生活だが ……


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