私としては、おっさんの身体がどの様になろうと知ったこっちゃない。 ただ、死ぬ時は癌でなくては困るのだ。 がん治療で入院中に他の検査で、肺気腫が見つかり、タバコを止めるように言われた。 にもかかわらず、タバコを吸い続けている。 肺気腫が原因で死なれては困るのだ。いっそ肺癌にでもなればいいとさえ思う。 こんな怖いこと考える嫁さんもいないわ。 散々な目に合わされた私としては、癌保険が有意義に生かされ、私が頂かなければ意味がないのだ。
長い人生を生きて来て、その大部分を愛のない結婚生活に費やした私の締めくくりは 私の書いたシナリオどおりに進めなければ意味がない。 私がおっさんと一緒になった時、夢や希望がいっぱい目の前にあった。 真面目に専業主婦をこなして来た。 共働きこそしなかったが、優等生の主婦だったし子供もきちんと育て上げた。
ゆるやかに坂道を下るように、私の理想とする夫の姿から外れて行った私への裏切りは数え切れない。このまま、なし崩しには出来ない。 周りの者が許しても温かくても… 私にはそれは出来ない。執念深いけれど、この執念がなければ今の私は存在しない。
寄り添う夫婦や、労わり、信頼し合っている夫婦。会話がスムーズに弾む夫婦。 どれも私達には無い。
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