ずっと以前から おっさんの左手の親指が気になっていた。 左手の親指の爪が最初は茶色かったのが、3年も放っておいたため真っ黒になり、爪が盛り上がり しまいには血の混じった膿のようなものが出るようになった。
こうなる前に私も娘も、孫までもが毎日の様に早く病院に行くように言い続けたのに聞き入れなかった。 連日の釣りで遊ぶのに忙しくて、元々人の言う事など聞かないのも手伝って、とことん悪くなるまで放っておいたのだ。
ある日、かかりつけの医院に膵炎の診察を受けに行った時、ティッシュを巻いて隠していたはずの黒い親指が顔を覗かせた。 おっさんは多分「しまった!」と思っただろうけれど、先生に見られて良かったのだ。 一日も早く皮膚科に行くように言われて紹介状を書いてもらい、ようやく皮膚科の診察を受けた。
最初の診察はおっさん一人で行ったが、二日後は私も一緒に行って説明を聞いた。 『爪部悪性黒色腫』爪に出来た癌。 この癌に罹るのはは 10万人にひとりの確立と言われた。
早く行けと言ってる時に言う事聞かないからこんな事になったんだ。 つくづく思うわ、おバカなヤツ。
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