「まだピカピカの綺麗な子宮ですよ、取るのはもったいないね、置いておいても差し障り無いよ」
心強い言葉じゃないですか。
「もう人工的に閉経させた方がいいかも知れないね。貧血も治るし…子供はまだ欲しい?」
こんな歳のおばさんに子供欲しい? まさかでしょ。
「いえいえ、閉経してさっぱりしたいですぅ」
うふふ、初めて笑った。
「ちょっと通うのが面倒かも知れないけど、定期的に半年間注射に通ってくれる? それと費用が少しかかるけれどいいかな?」
こんな会話しながら、最初の病院にそのままいたらどんな事になっていたかと、ゾッとした。
ちなみに最初の病院で飲んでいた薬も念のため持って行って見せたら
「これはホルモンの注射も薬も逆やったね。男性ホルモンと女性ホルモンを間違えると死ぬほどしんどいよね。でも○○先生は立派な先生だからね一生懸命治そうと努力はしてくれたと思うよ」
偉いわこの先生は、他の先生を悪く言わないもの。
睡眠障害もあったので睡眠剤も出してもらった。
「この薬はまとめて大量に飲んでも死ぬ事はないから安心して飲んでね、しっかり寝たら楽になるよ」
たった一回の受診でこんなに楽になれるなんて、大病院でも個人の医院でも医者次第だわ。 先生に恋心を抱きそうだよ。
「毎月先生の顔を見に来ますね〜」
こんな言葉がすっと出て来た。
真っ直ぐ歩けないほどの貧血。 ベッドから降りるときもドタッと落ちていた。 さすが、この時は寝込んでしまった。
まだ安定期に入らない娘の身体を気にしながらも、泊り込みで家事をしてくれた事に感謝しつつ娘が居る事のありがたさをしみじみ味わった。
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