私が働くと言う訳ではないが、仕方がない。
私がおっさんを食わしてやる！ そう開き直ったら、気が楽になった。
私に蓄えが出来たのは、元々おっさんの稼ぎがあったからだ。
でも5年も早いリタイヤは確かに痛い。
働く気の無い者の尻を叩いても、私の手が痛いだけ。
あぁ 私ってどこまでお人良しなの。
最後には許してしまうのか。
いや、根負けでもいい。私が楽ならそれでいい。
働かないおっさんの首に巻いた手綱をちょっとだけ緩めた。
誰が許すもんか。
今までの事は何があっても水に流すことは出来ない。
本当ならば、無駄遣いも出来ないのだろうけど私はそんなのは許せないし負けない。
家も築10数年経つと、色んなところにガタが来る。
電化製品や家本体も傷んで来る。
後の事を考えずに買い換えたりした。
玄関前の庭も業者に頼んで大改造した。
おっさんはきっとビクビクしながら見ていた事だろう。
相談などしないで、何でも自分で決めてやった。
どうせ私がやり繰りするんだし、何にも言えないよね。
せっかくの蓄えが生活費として出て行く事に 耐えがたい抵抗があった。
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