20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第63回   内助の功なんて似合わない・そのT
 もう完全に職を失ってしまった訳で、収入はゼロ。
本来ならば貧乏のどん底。
もう少し頑張ってくれたら年金が頂けるのに、ここで私の老後の生活設計が大きく崩れてしまった。
あと5年、なんとか仕事をしてくれたら、私からのお疲れさん宣言を出しても良かったのに……

 こんな状態でも、私が代わりに働きに行こうかなどと考えるような出来のいい嫁ではない。
私の年齢もかなりだし、その上頭痛持ちの私が勤めに出るなんて無理な事。
収入が無くなっても、今までと変わらない生活を維持している。
ここで見栄と虚栄心が、私を助けてくれる。

 おっさんのちゃらんぽらんさを一番良く知っている私。
それゆえ、自分の身を守るために私なりの方法でお金は残して来た。
おっさんの知らないお金を持つ事は快感でもあった。
しかし老後がこんなに早く訪れた事は計算違いである。

 それにしても、何も喋らずとも上手く事が回っている事に感謝ぐらいしても良いのではないか。
何かひと言私に言葉をかけても 罰は当たらないだろう。
黙っていれば何事も済むと思っているなら それは違うだろ。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 22232