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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第61回   そのU
 好きな事してる時は良かったんだろうけど

「後始末くらいきちんとしろよ!」

と、私の言葉も徐々にきつくなって来た。
女まで作って好きにし放題で私を長年ないがしろにして、お前はそれでも男か!
と言いたい。

 この家のローンは景気のいい時に一括返済しておいたので、家を取られる事はない。
この期に及んでもおっさんは、借金の金額さえ明かさない。
どこまでも秘密主義だ。
それでも人に迷惑を掛けないなら許せるが、最後はいつも私に振りかかって来る。
お金の切れ目が縁の切れ目とばかりに、愛人とは縁が切れた様だった。

 借金抱えたおっさんを殺してやろうと何度も思った。
お前は都合が良すぎるよ!また私が尻拭いするのか?
私の顔がまともに見られないのと違う?……
我慢にも限界がある。
真綿で包むような事はもう止めた!私は怒る女になる。

 離れて暮らしている息子が、たまの帰宅時に 私がイライラしておっさんにきつく当たるのを見て、いつも私を制した。

「ええ時もあったんやし、おやっさんも一生懸命働いたし、きつう言わんでも」

と、息子はおっさんをかばう言葉しか言わない。
むしろ、私には厳しかった。


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