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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第60回   早すぎるリタイア・そのT
 生活費を貰えなくなって、1ヶ月・・2ヶ月……
1年・・2年……と過ぎて行った。
10年間の我が家のバブル時代は終わった。

 リタイアした時 おっさんは55歳。
この年齢で一線から退いたおっさんは抜け殻のようになっていた。
月々のものが渡せなくなっても、おっさんは私に何の言葉もかけなかった。
「悪いな」とか「何とかやって行けるか」とか
おっさんの口からは 何も聞いていない。

 今日まではプータローでも明日は何か仕事を見つけてくるかも…
今は考え中で、また何かするんだろう…
その内、いい知らせがあるかも…半分期待して、半分はもうやる気がないかも…

 私自身もどこに身を置いていいか分からない状態でイライラした。
イライラの原因はおっさんの呑気な魚釣りにもあった。
何をするでもなく毎日の様に海へ行っては魚釣りをしていた。

 実は借金もそのままにしていたし、商売をするために借りていた広い土地や倉庫など
商売を辞めてからも月々払い続けていた事が分かった。
支払いの催促の電話がかかって来るようになって、その事を初めて知った。
事後処理を何にもしないままで、放ったらかしにしていたのだ。

 早く整理して借金を無くしてくれないと、先の見通しも立たないじゃないか。
まったくだらしないヤツ。


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