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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第45回   そのU
 小さな声で耳打ちした。

「今度は何したん? 刑事が来てる 何をしたんやぁ!」

「刑事? 知らん!」

寝起きのボサボサ頭と、間抜けな格好で階下へ降りて行った。

「主人が何をしたのか、何を探したいのか知りませんけど勝手に探して下さい! 何も出て来なかったらどうしてくれるんです? 間違いならどうするんですかぁ!」

と 怒鳴るように言ってから自分の寝室に篭もった。

 全部の部屋とクローゼット、各部屋の収納、3階の小屋裏まで上がって。
それに腹が立ったのはキッチンの床下収納庫。
鍋や食料の入っている扉の中は全部。
ガサガサ、ガタガタと あちこちの部屋で音がする。
布団にもぐり込んで身体を丸め、膝を抱えて耳を澄ませて様子を伺っていた。

 私の寝室だけは 何故か入って来なかった。

私の部屋のドア越しに

「奥さん、終わりました……ご協力ありがとうございました」

と声を掛けて帰って行った。

「協力なんかした覚えないわぁ!! くっそぉ!」

 時間にして40分程だったが、腹が立って腹が立って収まらなかった。
4人の男たちの背中に向かって 暴言を吐きたい気持ちを抑えるのに必死だった。
 
 おっさんは、連れて行かれた。
以前に税関の職員が調べに来た時もそうだったが、今回もおっさんは、顔面蒼白だった。
気が小さいくせに、私にばっかり強がってあほなヤツ!
悪い事していないなら、私みたいに堂々としてろよ!

 探した後の散らかり方が、なんともムカついた。
綺麗にしていた家の中を所かまわず引っ掻き回された悔しさ。
何で我が家が警察に調べられなければならないのか……

この理不尽に、警察にもおっさんにも両方に腹が立った。
 


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