結婚に至った昔の情熱がいつもいつも邪魔をする。 離婚したら、あの時の恋愛も結婚も否定した事になる。 だからと言って、おっさんのしている事は許せない。 私に対しての誠意というものを見た事がない。 隠す、嘘、ごまかす。いつも肝心の事になると逃げる。 愛人の事は、自然消滅を待つしかないのだろうか。 消極的ではあるけれど、相手の家に乗り込んで行くほどの勇気はない。
娘が結婚して3年過ぎたころ、不妊治療していたと後で聞かされたが、幸運にも子供に恵まれた。 娘の妊娠は、それはそれは愛おしく優しい気持ちになれた。 一度に目の前がパッと明るくなった。 私の出番! 私の出番! 何もかもが一変する程の嬉しい知らせだった。 愛人の問題が ちっちゃな事に思えるほど周りが変わって見えた。
さあ、母は頑張らねば! 娘が誇らしくて愛おしくて私に眠っていた母性がムクムクと再び芽生えてきた。 この嬉しい報告はおっさんにはしたくないと、意地悪心がささやいている。 これからの『家族ごっこ』には孫も加わる事になる。
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