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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第40回   要注意人物の扱い?・そのT
 裁判を受ける前の無免許時代にこんな事があった。

羽振りよく商売をしていると誰からも目を付けられる。
ブラックリストと言うほど怖いものではないけれど、外国人を相手の商売は、どうもよく思われていない。
地元の業者数人が同じような事をやっているにも関わらず、なぜかおっさんは目立つらしい。
おっさんを中心にして動いているのが面白くない者も居る。
人から聞いた話では、おっさんの果たす役割はかなり重要で、取りまとめ役なくして
ここでの仕事はスムーズに行かないらしく、一目置かれていたと言う事だった。

 ロシア語が喋れたし、何よりも過去の仕事の経験がここで大いに発揮されていた。
一番やり甲斐のある好きな仕事をしているのだろう。
今までにも、嫌がらせや脅しの電話は何度も受けたし、おっさんの所有地に並べられている売り物の中古車が何台も叩き壊されている事もあった。
とにかく妬む者がなんとか引き摺り下ろそうとする。
で、タレ込みをされたと思われる。

 ある日、庭で水遣りをしていたら
家の前に見知らぬ車が止まった。
後からおっさんの車もついて来た。
最初に止まった車から二人の男性が降りて来た。

おっさんはどことなく落ち着きがなく、何かやらかしたという顔だった。

この数時間前に、おっさんが慌てた様子で電話をして来た。

「家にあるロシア関係の物を全部隠しとけぇ! 酒は特に気をつけて隠せよ!」


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