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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第4回   そのU
 無理やり、よからぬ方向に引きずられた私や子供に何か言うべきだろ?
まだこの頃の私は、今ほど強くてしたたかな女ではなかったし、真剣に悩んだ。

「何でやねん! このアホたれがぁ 何でやねん! この恥さらしがぁ」

すっかりしょぼくれて、長年勤めた会社をやめる事にした訳で……
辞めざるを得ない状況…つまりはクビ!

サラリーマンの妻として暮らしてきた私には心の準備もさせてもらえないのか?
事前に相談もなく勝手に決めて辞めるなんて私や子供はどうなる?
当時、中・高生の娘と息子が居た。
進路の変更も親の都合ならやむを得ない事か?

ちょうどこの頃、家を建てる計画などもしていたし、長年の夢の実現までもう少しという所まで来ていた。

おっさんには内緒の預金を私名義でしていたが、これは何があっても出せないお金だった。

中途退職のため、退職金は少なかった。
そのお金は自分のしでかした会社の損害の返済にあてた。
家から持ち出したお金の穴埋めなど到底出来ない。


さあこれから我が家はどうなる?最大のピンチと岐路に立たされた。

新聞沙汰にはならなかったけど、同業者は近くにいっぱい居る。
誰にも知られないという保障もない。
会社を辞めた事もいずれ、近所やあらゆる所に知れ渡る。

いやぁ…おっさんの顔の広さが仇になった。
けど、おっさんにも私にもプライドはある。
子供にも迷惑は掛けられないし、身の細る思いの中で今後の事を考えた。

とにかく早くこの現状を払拭したかった。


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