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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第35回   そのV
 3週間の入院加療という事になった。
アルコール性の急性膵炎なので、絶食すれば痛みは治まるが、再発し易いと言われた。
この夜は頭が混乱して一睡も出来なかった。
次の日の朝も悶々としていた。
悔しさがこみ上げてくるし、あの凄まじいライオンが頭から離れない。
おっさんの病状などどうでもよかった。
バチが当たったんだ、苦しめばいい。
昨夜あんな事があって今日は病院へ行きたくないなぁ と思いながら掃除機をかけていたら電話が鳴った。
もしかして病院から? と思いすぐに電話に出た。

「私はちゃんとする事をしたんですよ、病院へもすぐに運んだし、奥さんの昨日の態度は心外です! 勘違いしないで下さいね」

と、唐突にライオンがこんな事を言ってきた。

「何が勘違いなんですか? あの時ちゃんとお礼を言いましたし、私が旦那の着替えなどを持って行くの 当たり前じゃないですか、何が言いたいんです?」

今日は強く言い切った。
と同時になんであの女に頭を下げたのか、悔やまれてしょうがなかった。
向こうから先に電話を切ったけれど、いったい何が言いたかったんだろう。
人騒がせなおっさんの存在が、疎ましくなって来た。


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