20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第30回   これは日常茶飯事と言える?・そのT
 「裁判を受けたり、証言台に立たされたり、それ以前に警察のお世話になったり、これってどこにでもある事やないよねぇ。あんた私に何か言う事あるでしょ。一言詫びてもいいと思うけど……」

と言う私に、開き直って逆切れしたおっさん。

「こんなもん どこにでもある事や! なんで謝らなあかん? 嫁さんなら誰でも協力するやろ! 自分だけ特別な事したと思うな!」

とぬかした。言語道断だ。何がおっさんをここまで冷たい人間にしたのか。

「嫌な思いをさせて悪かったな」

の一言で救われるし、人としてそれは当然の事でしょ。
好きなように生きて来て、好きな事をして、ずっと振り回されて、お金には代えられない大事なものが崩れていくのを、砂を噛む思いで味わっていた。

 相変わらず帰らない日々が続いた。
新築当時はおっさんと同室だったけど、空き部屋があったので、私の部屋を作った。
ベッドや家具を買って私専用の部屋にした。
抜け殻になった寝室のおっさんのベッドを、腹立ち紛れにひっくり返し、マットも布団もバラバラに部屋に散らかした。
突然帰宅しても寝られない状態にしたのだ。
出来る抵抗は何にも無かったが、無駄な抵抗を試みては発散するのが精一杯だった。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 22229