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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第3回   それはないやろ・そのT
 サラリーマン生活25年目のある日。
某メーカーの、車のセールスマンのおっさんが突然

「会社辞めた!」

と、私に電話してきた。寝耳に水と言うか、晴天の霹靂と言うか…


何かがジリジリとよからぬ方向に動き出した。

この「会社辞めた」宣言の前に遡る事約一年。
当時営業所の所長を任されていたおっさんは、営業成績を上げるために日夜邁進していた。

帰宅は毎日夜中や明け方。接待やなにやかやで毎晩飲んでいた典型的な営業マンだ。
ぺいぺいの営業マン時代、車の契約台数トップで表彰された回数も数えきれなかった。
やり手で通っていたし、ライバルメーカーにも知れ渡っていた。


この営業所時代に、突然身体を壊して入院する羽目になる。
アルコール性肝炎で肝臓がひどくやられていて、3ヶ月の入院加療が必要と診断され仕方なく入院。

ところが、のん気に入院してる場合じゃない事態に追い込まれ、おっさんは何回か病院を抜けて家に帰り、書類などを持ち出したりして、慌てている様子が見られるようになった。

しまいには我が家の通帳の残高まで気にし出した。

「通帳と印鑑を出してくれ」

ははぁん 何かしでかしたな。

おっさんは何も語らずで私には訳が分からなかった。
後で同僚から聞かされた話に耳を塞ぎたくなった。


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