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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第27回   裁判初体験、これはドラマじゃない・そのT
 さすが ここで愛人の登場は無い。
家族の絆がテーマだから…ほんとか嘘か……
弁護士さんに言われるまま、筋書き通りに進めなければならなかった。
ある意味ドラマかも知れない。

私は知らなかったけれど、証言してくれる男性とリハーサルをしたら、この証言者の男性がどうもうまく行かない。
たった3人でやった打ち合わせなのに、しどろもどろでうまく喋ることが出来なかったのだ。
上がり性らしく、言われた通りに喋れない。
それもそのはず、シナリオが作られていたから。
自分の言葉で話す事が出来ないので無理も無い。
何度も何度も、繰り返しセリフを言わされ、怖気づいて完全に拒否されてしまった。

こんな事、他の裁判でもやられているのか分からないけど、決められた内容の証言をするように言われていたのだ。
そのためのシナリオとセリフであった。
弁護士さんは、ストレートに嘘を言ってくださいと言った訳ではない。
そのようなニュアンスで言われたのだ。

矛先が私に向けられた。
おっさんは、私を証言台に立たせる事をどう思ったのだろうか。
弁護士さんも私を避けたかったらしいが、やむを得なかった。


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