憂鬱な日を指折り数えて待つことになった。 娘や息子にも連絡した。
「無免許で裁判なんて、本人だけで済むと思ってたのに家族も行くの? 警察の次は裁判かぁ… ま、それも面白いわ 見てみよか」
あくまでもプラス思考な娘。 離れて一人暮らししてる息子は
「おやじさんの一大事や、帰るでぇ、スーツは持ってないけど まともな服着て帰えるし、オレ裁判なんて始めてや」
二人とも のん気なもんだ。 でもこんな乗りがかえって良かったのだ。 裁判に向けて打ち合わせが何回もあった。 考えてみれば面倒な話ではあった。 無免許運転で裁判されるのかぁ…… 何か他にも訳があるんじゃないの? この種の裁判で、何のためなのか証言者が必要らしい。 何をどのように証言するのか とにかく証言だけで半分は決まるらしく、とても重要な役だと説明された。 おっさんの一番身近に居て、仕事を手伝ってくれてた人が居るが愛人ではない。 最初から一緒だった男の人で、おっさんの事情を良く知る人物である。 私も顔見知りで、家に来て食事などもしたことがある。 ちょっと気弱そうな人だ。 この人に証言を頼んで、証言台に立ってもらう事になった。 しかし、ここで問題あり……
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