この頃から、おっさんのお金に対するいい加減さの片鱗が見られる。 酒が好きでお金には興味が無く、あればあるだけ使うタイプ。 借金なども恥とか悪とか思わない。
この若い時からの性格というのか癖とでも言うのか、この事に将来悩まされる事になろうとは思いもしない事だった。 結婚すれば私がお金の管理すればいい事と、すべてが前向きで結婚するべく準備を始めたのだ。
私自身を自分で分析するに、これと決めたら一直線。 行動的、情熱的、凝り性…あ、忘れてた。 虚栄心も見栄も持ち合わせていたかな。 これが邪魔をしてしまうんだよね。
とにもかくにも、6年の長い交際の後に、ごく普通に普通の式を挙げ 新しい生活が始まった。 子供を産み育て、いい母親であり、いい妻だったと思う。
あの寝耳に水の例の件が起きるまで、平穏無事に暮らして来た。 サラリーマンの妻としては、ハナマルだったと思う。 子供も真っ直ぐ育ってくれた。 父親としてもその役割を果たしてくれていた。
何も問題は無かったはずなのに……
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