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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第18回   楽しく生き抜くための知恵と覚悟・そのT
 少しずつではあったけれど、気持ちに変化が出始めた。
何でもありのおっさんが相手なら、私も何でも来いという態勢になればいいと思う。
人間おかしなもので、ここまでいろんな事が起こると、次は何が起きるのだろうと予測したり、ある意味面白がってしまうものだ。
私の中に、はっきりと芽生えたものがあったし、それを意識した。
ただ、新聞沙汰になる事だけは避けたかった。

「あんたの好きに生きて行ったらいいけど、新聞沙汰になる様な事だけはやめて! 息子や娘を裏切る行為だけは許せんし、子供達に顔向け出来ん事だけはするなよ、それだけは肝に銘じて覚えておいて欲しい。もう何も言わん!」


 その後の私は、強かった。
心身ともに鍛えられた。
今迄のあらゆる事が私を強く頑丈にするための肥やしになった。
この頃から私は、お金に執着を持つようになる。
今までパチンコで、かなりのお金を つぎ込んだ。
パチンコでお金が増えることは絶対ない。
トータルして300万円は使い切ったと思う。
この時は、無駄とかもったいないとか思う事もなく、ただただ気晴らしのために使って来た。
ブランド物のバッグや貴金属、高価な宝石などをいくつも買うより安いもんだわ、と言い訳し自分を納得させた。

多分罪滅ぼしの意味もあったのだと思うが、おっさんはボーナスと称して帯封のまま一束とか、毎月のお手当ても(私はいつのまにかこんな呼び方をしていた)多くなった。
住宅ローン、息子への仕送りなど、大きなものは全部おっさんが管理していたので、実質 私は月々生活費があれば後は自由だった。

これを捨てる手はないと 今までにも増して貯蓄に励んだ。
しかし、贅沢品なども買い足しながら、ガーデニングに関するものは値段など気にせず惜しみなく買った。
私のバブルがいつまで続くのか……
娘は私を「マハラジャ」と呼んで笑っていた。


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