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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第14回   苛立ちと散財・そのT
 薄々感じていた事への不安と苛立ちから逃れるためと、おっさんへのあてつけ行為に私がした事は、お金をどんどん使う事だった。

私や家を放っておいて夢中になってしている商売。
それに加えて見え隠れする女の影。
同じ年齢のサラリーマンよりも多いと思われる私への給料。

 通販での買い物依存症。
今みたいにインターネットでの買い物が少ない時代。
まだパソコンも使えていない頃なので、カタログ販売にハマリ込んだ。
衣類などは、次々注文して届いても最初は荷物を開けて見ていたけれど、一度も着ないで吊り下げたままの物が増えて来る。
その内、開けるのすら面倒になったり、新しいまま捨てたりする事もあった。
インテリア商品も見る見る増えて、嫌になるのにまた注文する。
貴金属もかなり手に入れた。
もったいない等という気持ちもなく、罪悪感もなかった。
これは精神を病んでいると自覚した。

 もうひとつ、ハマリ込んだのがパチンコである。
とてもとても信じられない事!私がパチンコをするなんて…
毎日のパチンコ通いが、私のライフワークになった。
誰も居ない家でも、性格なのかキレイに掃除して、花の手入れも犬の世話もして完璧にしてから、お昼前に出掛けるのが日課だった。
毎日5〜6万円を財布に入れて、財布が空になっても気にならなかった。
また明日取り返そう…
わずかの時間に10万円が儲かることもある。
面白くてやめられないよ。
パチンコの帰りは、スーパーに寄ってお惣菜を買って帰る。
薄暗くなってから2匹の犬の散歩をして、庭の見回りを済ませて、一人で食事する。
必ずビールかワインを飲みながら、話し相手は犬とテレビ…侘しいじゃないの。

 どこかのヤモメのおっさんみたいな生活が、気楽でもあり やっぱり寂しかった。
空き缶やワインの空き瓶が日に日に増えて行く。
夜は、飲んで飲んでとにかく飲んで、酔って何かから逃げたかった。


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