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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第114回   そのU
 どうしても午後から半日だけ出掛ける用事が出来た。
夕方までには帰ると伝えて出掛けた。長時間の留守の間に何かしていないかと、気になってしょうがなかった。
その日は特に何も異常は無かったし、気が付かなかった。

 翌日、孫たちを預かる日なので、いつも通り夕食を済ませて娘の帰りを待った。
下の孫が内緒で、じぃじの部屋を点検するために二階へ上がった。孫はタバコを吸っていないかの点検だったらしい。が、とんでもないものを見つけて下りて来た。
最初は私に言うのをためらったらしい。もめると思ったのだろう。
スーパーの大きい袋に大量のお菓子、菓子パン、チョコレートが入っているのを、みんなの前に持ってきて見せた。食べた後の空袋が入っているゴミ箱まで持って来た。

 みんな驚いて悲鳴を上げた。なんと大量のお菓子類! 

「こんな大量に、いつ買ったん? まさか昨日か? 私が居ない間に歩いて行ったんか! お金は無いはずやろ? お金持ってたんやぁ……お見舞いに貰ったのを私に隠してたのか?」

矢継ぎ早にまくしたてた。

「こんなにたくさん、昨日から今日の間に食べたやなんて、信じられんわ! これが身体に悪い事、知ってて何でこんな事する! 私の食事管理はそんなに簡単じゃないよ!これだけ気を使って作ってるのに、もう私 これからはよう作らんし、好きにして!」

「…………」

「これは酷い! ○○ちゃん(娘は私を名前で呼ぶ)に謝って! 医療費もかかってるのに、食事も考えてくれてるのに、これはあかんわぁ。○○ちゃんに悪いと思うなら謝って! これから死ぬまでお世話にならんとあかんのに、私もこれは許せん! 食べたかったら言うたらええやろ? 少しならお菓子も食べれるんやで、こんなに大量に食べて血糖値はどうなん?」

「…………」

「孫の前で恥ずかしいと思わんか! 謝れ! 謝る事も出来んアホか!」

 頭にきた私は、おっさんの目の前で、そのお菓子などの入った袋を床に何度も叩きつけて、おまけに足でグチャグチャに踏みつぶした。踏みつぶした後、その袋でおっさんの身体や顔に何度も何度も叩きつけた。それこそ、孫に恥ずかしい姿だったと思う。

 どうにも怒りがおさまらない私は、繰り返しグチグチと言い続けた。
すると娘が頭を下げた。

「私からもお願いするし、今回の事は許したってくれる? 早う! じぃじも頭下げて!」

「すまんのう、こらえてくれるか?」と おっさん。

あくまでも諭された上での言葉にすぎない。もぉ〜死んでくれ!


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