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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第11回   そのU
 家にまでロシア人を連れて来る事もあり、私は意気揚々としてるおっさんがどうも理解できない心境ではあった。
言葉も通じないデッカイ男が2〜3人 こんなの目の前にしたら、引くよー。

息子が高校を卒業して、この家から出て専門学校へ行く事になり、一人暮らしを始めるようになった。
私とおっさんだけの二人暮らしになってから、だんだん家には帰って来なくなった。
時々着替えを取りに帰るくらいで、家で寝ることも少なくなった。
せっかく家を建てたのに、この大きな家に私はいつも一人だった。

忙しくて帰ってられないと言う。
現場の見張りが必要なので帰れないと言う。
お金だけを持って帰って私に渡したら、すぐにまた出掛ける。
茶封筒に入ったお金で、表に金額だけが大きく書かれていた。
それも多い時や少ない時がある。
おっさんはサラリーマン時代と同じだけの金額はやっていると言った。

お金だけを貰ってたら、それでいいのか?…

 ちょっと何かが違うぞ〜と思い始めた。
たまには家の事をして欲しかった。
庭に物置を置いたり木を植えたり、男手が必要でやって欲しいと言うと、ほんの少しだけ手伝って、イライラしながら怒ってすぐに出掛けてしまう。

この商売を始めて3年目辺りから、私達はそれぞれ2本のレールを歩く事になる。


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