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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第107回   酒で壊れたおっさん・そのT
 魚釣りや 飲んだりするお金はどうやって工面しているのか、知りたいけど聞けないで居た。働いている様子もないし、確かお金は無いはず。
これは不思議なことではあった。私に無心する事もない。

 いつも外で飲んで帰るのは分かっていた。
なのに缶ビールを1本だけ自販機で買って帰る。
いかにもそれが今日初めて飲むビールだと言わんばかりだ。
匂いでバレているのに、白々しい。
飲みきれずに半分ほど残しているので、すでに飲んでいるのは明らかだ。

 安い紙パックの1.8リットル入りの焼酎を買ってきて、お湯割りで飲んだりするようになってから、酔う態度がおかしくなって来た。
濃い目のお湯割りなので回るのが早いのか、もう身体が受け付けないのか酔い方がおかしい。
ふらついて、こけたりするのが目立ってきた。
そして垂れ流しに気付かないで居る。

 ある時、孫や娘と一緒に食事をしていたら、とんでもない醜態を見せた事があった。
冬の寒い日の夜、酔っぱらって垂れ流し、フラフラとトイレから出てきた。

「わぁ〜!ベタベタやし!じぃじ濡れてる〜オシッコ、どこでしたん?」

「どこでって、トイレでして来たわ!」

 二階へ上がろうとしたおっさんを全員で引き止めた。
孫が大急ぎで二階から下着や着替えを持ってきて、寒い廊下で下半身裸にしようとした。けど、濡れていてなかなか脱げない。靴下までベッタリ…


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