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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第102回   男らしくないぞ!・そのT
 最近は同じ食卓に着き食事をしても、のんびり穏やかなものではない。
子育て真っ最中の頃のおっさんは 忙しいバリバリの営業マンだった。
それでも遅い時間たまの食事でも何かと会話はあった。
当たり前っちゃ当たり前だけど。タイムトンネルくぐってあの頃に戻ってやり直しても
まったく同じ軌跡をたどるんだろうなぁ…これが運命ってヤツか。

 今は会話など無い。話をするのが面倒で…
でも ひょんな事から、昔の事が走馬灯のように私の頭の中を駆け巡った。
私にとっての昔とは、おっさんがサラリーマンを辞めた以降からなのだ。
サラリーマン時代は気難しいおっさんでも、それなりに付き合って来れた。

 過去の苦い記憶が、なぜか今 愚痴となって出て来た。よくもまあこれだけ愚痴れるもんだと我ながら呆れる。執念深さは誰にも負けんと思うよ。ほんまにしつこい!
 きっとおっさんの中では、すべてがキレイさっぱり済んだ事なのだと思う。
私の中で、時々くすぶって出て来るこの感情は、その時々の出来事を解消出来ずに来たからだと思う。いつも壁に向かって話して来た消化の悪さが胸にある。

 おっさんから見れば、何をいつまでもしつこくと思うのが分かりつつも、ついつい吹っ掛けてしまった。今までおっさんの真意を知ることが出来ないで居た。
納得できる言葉も無かった。やっぱり、消化不良なのだ…
何か言葉が欲しい…甘えてみる?ソフトに切り出したつもりだったけど、くすぶってた火種にメラメラと火が点いた。あかんあかん、もう同じ事ばっかり言うたらあかん!

 もう、ブレーキは効かなかった。
…この日の私は虫の居所が悪かったと見える。


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