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作品名:もう・・笑うしかない 作者:ののはな

第10回   面白いほど儲かる・そのT
 ロシアへの中古車の輸出は、時代の波に乗ってこの商売が成り立つ事に目を付けた者の 今で言う勝ち組になった。
市内の自動車屋数人がその港で競い合うようにして中古車を売った。
もちろん、必要な資格や手続きなども済ませて、埠頭近くに広い土地を借りて車を並べ、ひっきりなしに入港するロシア船の乗組員を相手に商売をする。

ところが、たちの悪いロシア人が夜中に車を壊して部品を盗んだりするようになった。
夜中に見回りをしたり、捕まえるためにおっさんは車の中で仮眠をする日々だった。

そのうち顧客のロシア人を決めたらしく、入港の日を向こうから知らせてくるようなり、家に電話がかかって来る事もあった。
電話は英語で話して来るので、大体は私にも理解が出来た。
今どこに居るのか、電話番号を教えてほしいとか、そんな内容だった。

「オー イエスイエス サンキュー サンキュー」

おっ 通じてるじゃん。

私はこの商売にはまったくかかわってなくて、どんな風にしてるのか、どれだけ儲かっているのか知ろうとも思わないし、知りたくもなかった。
ただ毎月、給料のようにしてお金を貰うだけだった。

顧客からのお土産で、ロシアのカニ缶、キャビア、ウォッカなどを時々大量に持ち帰ったりした。
こんな物、貰ってええのかしらん。
食べてもお腹大丈夫かい?
初めこそ 食べるのにためらいはあったけど 一つ、二つ食べていくうちにこれがまた美味しい! キャビアは最高のものだったと思う。


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