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作品名:ロミオとジュリエット 作者:800

第1回   第一話 記憶
窓がないている音で目が覚めた。
外は激しい風に比べて雨は小雨だ。
布団から重い身体を動かし、時計に目をやる

朝の九時。

母と兄は仕事に出かけていた。

僕の起きる時間はいつもこの時間だ。

誰もいない一人だけの空間

雨の音で起きたと考えていたがいつもの習慣だと知り
自分自身が今日と言う日を脳でも,
身体でもなく心が
強く認識しているのかもしれないと思った。

部屋から出て、洗面所に向かった。

普通のマンションに設置されている、洗面所に向かい顔を洗った。

洗い終わり、ふと、自分の顔に目をやる

その顔は酷く乾燥していた。

キッチンに向かい冷蔵庫から、牛乳パックを取り出し、食器棚から
新しいコップをだし、牛乳を注いだ。

キッチンの隅にあるラックから、昨日のうちに買っていた菓子パンを手に取り

牛乳と菓子パンを持ち、再び自分の部屋に戻った。

僕の部屋は決して広いわけでもない和室の部屋で、南向きの窓から普段は朝日とともに
日が入る。

僕はこの部屋を割かし気に入っている。

たぶん今日一日の予定をこの部屋で行おうと思い立ったのも
そういった、気持ちのせいかもしれない。

部屋に入り、机の上に牛乳と菓子パンを置き、

部屋にある二台のパソコンのうち
古いほうのパソコンの電源を入れた。

ちょうど今日から一年前に封印したパソコン
このパソコンは、専門学生時代に使っていたパソコンで、あのころの記憶を
このPCは保存している。

パソコンが久しぶりに立ち上げれ、慌しく起動の準備を始めている。

その準備音が僕の耳に聞こえるたびに、心拍数が上がっていく。

脳はあの頃の思い出をフラッシュバックさせようとしていたが、心で必死に押さえつけた

そのうちパソコンが立ち上がり、デスクトップにある小説を書くためのツールを開いた。

そこで、タバコに火を付け一服することにした

これから、自分の中にあるパンドラの箱に手を触れる。

もう気持ちを止めるものは何もない。

タバコの火を消し、キーボードに指を当てる

その指は酷く湿り、震えていた。

一度深呼吸をし、書き始める。

最初の文章は決まっている。

君とで出会ったのは…


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