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作品名:潮風のセレナーデPARTUバトル編 作者:HAPPYソフィア

第30回   30
サヤカは、合格発表がある当日は、朝早くから
  着飾って車を出させて、見に行っていた。

  既に徹夜で待っている親も居たが、サヤカは
  自分は特別待遇よと言わんばかりに、颯爽と
  歩き、掲示板の方へ行こうとした。

 係員:「済みません、整理券ありますか?順番に
     お並び下さい。あちらが最後尾です・・」
     と、言っているにも関わらず、まるでTDL
     等のファストパスがあるかのように、
     ずんずんと前に進んで行った。
 係り員達は、再度、柔らかく「あの〜?」とサヤカに
 話しかけたが、サヤカは無視した。
  何人かの係り員達に呼びとめられ、

   余りにもうるさいのでサヤカはサングラスを
   外し、「権海仁の妻の権サヤカです。ここの
       金園長と夫梅仁は昔から好意にして
       頂いてますのよ。何か?」と言って
   威圧した。もう係員は、サヤカを止められない
   と思い、退散して行った。   

 既に、整理券の順番通りに並んでいた父兄たちが
 結果を見て一喜一憂していた。
  今年は、物凄い倍率だった。特に女子園児のレ
  ベルが高いと言われ、ソラミの合否が心配だ
  った。

 実はソラミは、一次試験でも大きく失敗し、不
 合格を一次試験があった日、リラ幼稚園の
 お受験名門塾から知らされていた。
 その塾は、リラの園長と塾長が親友で強力な
 コネクションがあった。
 テストが終わった後、塾へ向い、塾長から
 不合格を伝えられていた。

 「テストは2教科で、国語と算数それぞれで100点
  満点で、合計200点満点、今年の平均は143点
  でした。合格最低ラインは170点以上で、お宅の
  カイト君は164点で僅かにとどかずですが、塾か
  らの1番推薦で何としても合格にとお願いしま
  したところ、補欠で合格権を得ました。そして
  問題は、ソラミさんです。2教科で98点で、平
  均点をも大きく下回りました。補欠にもなり
  ません。一押しも二押しもしたのですが、首を
  縦に振って頂けませんでした。このままだと
  梅花も厳しいでしょう、、、困りましたね・・」
  ・・・っと・・・。サヤカは、ワナワナと震
  えだした。
   そして塾長に「先生、ソラミは、試験当日、
   体調が悪く、無理を押して試験にのぞみました。
   どうか、力をかして下さい。お金はいくら
   かかっても構いません。リラ幼稚園に合格さ
   せて下さい。一次は失敗しましたが、二次
   試験は芸能技能試験です、ソラミは2歳から
   ピアノを習っておりますの。かなりの腕前
   ですわ。更に我が家の家柄は申し分ないと思い
   ますし、面接も万全にしてのぞみます、
   お願いします。お願い致します。」と何度も
   頼みこんだ。

   その必死な思いが通じたのか?塾長は「では
   補欠で何とか二人とも合格させるよう、頼ん
   でみます・・
    ただし・・二次試験は恥をかかせないで下
   さいね。ソラミさんは、リラは入る前から
   リラは厳しいし、例え、入った後でも、
   苦労しますよ。それでも良いんですね?」
   と言った。


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