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作品名:潮風のセレナーデ・・・会いたい気持ち・・・ 作者:HAPPYソフィア

第8回   夏の始まり・・・ペンダントの輝き


    飛行機の中で、これから滞在する家族のアプリケーションの書類を、

          先生からカノン達は渡された。

  カノンは、「先生、このアプリケションの書類は、

            日本にいる家族にも届くのでしょうか?」

     と心配しながら聞いてみた。

      何故なら、カノンはホンデ大学を、

     「延世大学」と家族や、ルームメイトのサヤカに伝えていた

        からだった。。。。

 すると先生は、「実は、家族が決まるのが、本当にギリギリだったので、

書類送付が、間に合わず、それで、現地のソウルに到着した時に、

それぞれ皆さんが、国際電話や、国際電子FAX、E−MAILで知らせて下さい

としようと思いましてね??どうしても、郵送で学校側から送って下さいと

  言う人には学校から送らせて頂きます。」

            と言われて、カノンはホッとした。

  そして、先生に「私・・・鈴木花音は、自分で、家に伝えます」と元気よく言った。

 ミドリもカノンと同様に、自分で伝えるとし、久美子は、送って貰うことにして、

先生に早速、依頼してしまった。

 先生が「早めに、決めて言って貰えると、手間が省けて助かるよ」と言って、

名簿にマークを入れながら、次の人達の座席に歩いて移って行った。

   カノン達は、顔を見合わせ、今、配られた学校名が記載された

大きな封筒を開けてみようと言う事で、ドキドキと胸が高鳴りながら、

開封した・・・・

    綺麗に開けようとして手先が震えたが、、、、カノンは元々、器用なので、

      綺麗に開ける事が出来た・・・

          先ず声を上げたのが、ビリビリに封筒を開けた、久美子だった。

久美子:「やっぱり韓国一番の名門女子大ね、3人姉妹で、全員が梨花大学出身で、

      内末っ子と私が同じ年みたい。両親は、父親が、大学教授で母親も女子高等

      学校の国語の先生だって・・・・何か男っけがなくて、憂鬱だな〜。

       昌信洞って言う地区の高層アパートメントみたいよ。

        21階って書いてあるもの。近くに東大門市場があるけど・・・」

ミドリ:「私は・・・景福宮の駅が近いみたい。やっぱり高層アパートメントみたいよ。

    家族は、弁護士のお母さんと、私と同い年の双子のいる家で、

       一人は、高麗大学で、

     もう一人は韓国外国語大学の英文科みたい。

    今、米国に留学中って書いてるわ・・・お父さんはいないみたいだし・・・

    何だか、家族が少ないわね。

         でも・・・静かに勉強できるから良いかもね・・・

                  ・・・で?・・・・カノンは??」

カノン:「・・・・うん・・・えっとね、家族は建設会社の社長のお父さんと、

    デザイン会社の社長のお母さん・・・百済大学音楽学部4年生のお兄さんと、

     ホンデ2年生、日本語学科の女の子の4人家族で・・・

       新村の一軒家に住んでるみたい。建物の名前がないもの・・・」

久美子;「えぇ、、、いいな〜、一軒家?しかも社長?凄いじゃん」

ミドリ:「ねぇ、でも・・・この家族の写真が、皆、寂しそうだし、、、

       違う方向向いてる・・・

    それに兄と妹だけど、顔が全然、似てないよ〜妹、凄いブスだよ・・・・」と、

   カノンのホームスティの家族写真を見て言った。

                二人はドレドレ?と言って見て見た・・・

久美子も「本当だ〜・・・でも、お兄さんの方は、何かイケメンだよ。

          山下智久に似てるじゃん・・・いやSEヘENにも似てるよ・・・」と

            言ったのを聞いてカノンは、SEへENが大好きなので、

           目を丸くさせ、キラキラと輝かせながら写真を見た。

「あ!本当だ〜、このお兄ちゃん、SEへENに似ているね。

   えへへ。やった〜」と満面の笑顔を見せた。

    しかし、そのお兄さんは、物凄く寂しそうな瞳をし、

       横向きで映っていたのだった。

        一方、妹であり、カノンと同い年で、同じホンデ大学に

         通っている女の子は、言葉を濁してしまって

           申し訳ないが・・・・

            物凄く醜いのだった。

         ノートルダムの鐘に出ている背虫男みたいな・・・・

            ズングリムックリで・・・・

                     「イモ虫」
                     
                            みたいだった・・・・


        女の子は、自分の容姿を嘆いてか?自信が無いのか?

                 下を向いて写っていた。

         おおよそ似合わないフリルの沢山ついたドレスを着ていたのが、

          一層、醜さに拍車をかけていた。

           スタイルも悪く、

        久美子もミドリも「カノン、この子と一緒に学校へ通うんだよね?

          ・・・なんかさ・・・・余り仲良くしたくない

               感じしない?」と久美子が言った。

             カノンはキョトンとして、「え?何故?」と聞いた。

            ミドリも、久美子も顔を合わせて

              「だってさ・・・ブスだし、、、

              何か性格とかも暗いと言うか、悪そう・・・

               カノン、苛められちゃうかもよ?」と

                言ってカノンを心配した。

             カノンはケタケタと笑った。

      「私は、この・・・スンミちゃんと仲良くしたいな・・・」と

             二人に言った。

     カノンは、いつも誰に対しても優しいし、

          人を外見で判断したり、差別する女の子ではなかった・・・

        だから余計に、カノンの事が心配になったミドリと久美子だっ

             た・・・・

   キャビンアテンダントが「お飲み物と、お食事です」と言って機内食をテ-ブルに

   置いて行った。

三人は、「もう、こんな時間なんだ」と言いながら、慌てて書類を片付け、食事を

とる事にした。

カノンは、書類をカバンの中に入れ、テーブルを出しながら、韓国での短期ではあるが

 これから始まる語学研修生活が楽しみになって来たのだった・・・・



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     「当機は間もなく、仁川国際空港に到着します。

         お座席のベルトを今一度、しっかりお留め下さい」

            と言うアナウンスが流れた・・・

     窓側に居たミドリが、外を見て、雲の下に広がる韓国の街並みを

             見て「わぁ、とうとう到着だよ。楽しみだね」と言った。

             カノンも、久美子も、そうだねと言った感じで、笑顔になった。

         飛行機が空港に到着してからが、速かった・・・

        入国審査もポンポンと進み、出迎えのロビーに一旦、集合し、

           点呼があり、そして次々と、待たせていた大型バスに乗った。

           1時間ほど、バスはソウル市内に向けてひたすら走っていた。

           学生たちは、やや疲れたのか、皆、スヤスヤと

             眠りについていた。

                   先生でさえも、ウトウトしていた・・・・

      カノンも、韓国の地に足を踏み入れたと言う安心から、

                        ウトウトとし、眠りに入っていた。

       そして、明洞の近くにあるロッテホテルの、

               スカイラウンジに集められた。

       先ずは、学生と、現地旅行会社の人達、そして大学の先生の

         オリエンテーションがありその後、会食が各家族とあって、

                 そして解散するらしい。

         家族との対面だったが・・・

         カノンの家族は、両親が会社社長で、忙しいらしく、

       来られない為、兄のソンジェと妹のスンミが来てくれた。

             ソンジェ:「鈴木・・・カノンさん?ですか?」

           穏やかで柔らかい声が後ろから聞こえたので、

          カノンは振り返ってみると、ソンジェの優しい笑顔があった。

              
                ソンジェは、すらりとした長身で、

          SEへENにも似ている、かなりイケメンの男の子だった。

     カノン:「・・・ハイ、、、カノン・・・鈴木カノンです。

               ・・・ええと、、、ええと・・・」

カノンは飛行機の中で準備していた韓国語の自己紹介をスッカリ忘れてしまい、

緊張していた。

ソンジェは、笑いながら「・・李 ソンジェです。宜しくお願い致します。」と

流ちょうな日本語で話した。

更に妹のスンミも「・・・私は 李 スンミです。宜しくお願い致します。

ホンデで日本語学科なので、日本語が少し出来ます」と言ったが、

なかなかの日本語で、カノンはビックリした。

 しかし、兄の美しさに比べると、スンミは、ノートルダムの鐘に出て来る背虫男

  の様な容姿で、体系もずんぐりむっくりしており、悠にカノンの3倍はある体重

    みたいで、大きなゴツゴツした岩山の様だったし、ミドリ達が言うイモ虫

            の様な感じがした・・・・

        しかし、カノンは、その容姿には驚いてはいなかったし、

            普通に挨拶や会話を交わした・・・

        テーブルについて、韓国の音楽演奏を聴きながら、

         楽しく食事会となったが、ソンジェとスンミは、

            仲が良い兄妹のようで、終始笑顔だった。

    とても写真の様な寂しい笑顔でも、、、冷たい雰囲気でもなかった。

スンミは「実は、私たちは本当の兄と妹では無いですよ。

    お父さんの連れ子が、お兄さんで、お母さんの連れ子が私なんです。

       だから似ていないでしょう?」と笑いながら言った。

更にスンミは「私はこの通りブスで、性格も暗いから・・・友達も少ないの・・・

カノンちゃんのお役にたてるか・・・凄く心配です」と申し訳なさそうに言った。

カノンは、そんなことはないし、お会いできて凄く嬉しいし楽しいですと言った。

ソンジェは「スンミは、気持ちの優しい可愛い妹だから、カノンちゃん、仲良く

して上げて下さい」と言って頭を下げた。

カノンは、SEへENに似ているソンジェが、ナイーブで優しい青年で、更には

カノンの実の兄のタクトに感じが似ているので、嬉しくなった。

カノン:「スンミちゃんも、お兄さんも、日本語が上手ですが?どこで最初、

習ったんですか?」と聞いてみた。

ソンジェは「・・・実は僕の本当の母は、日本人なんです。でも、僕が幼い

時に亡くなりました。僕自身は、大学を休学して、去年から今年の春まで

日本の池袋に、日本語の勉強をしに語学学校に通っていました。出来れ

ば百済を卒業したら、もう一度、日本に行って日本の音楽大学院に入

ろうかと考えてます。実母の国である日本に物凄く興味があるし、日本の

留学生活が楽しかったですから・・・」

スンミ:「お兄ちゃんは、私よりも日本語が上手ですよね?私は、小さい

頃からずっとイジメられていたの・・・私の逃げ場所はいつも図書館だったの

・・・色々な本を読んでたんですが、、その中でも日本の文学の本が面白

くて読み漁っていたら、ドンドン日本や日本語に対して興味を持って・・・・

高校の時、第2外国語で日本語を専攻して・・・それで何となくここまで来た

の・・・私はとても醜いから・・・・お母さんは、私を嫌っているのだけれど・・・

でも、私は平気・・・優しいお兄ちゃんがいるし・・・」

ソンジェは、スンミに「スンミ、お前は全然、醜くなんてないよ。」と言って怒っ

た・・・しかし、スンミは、目の前にいるカノンを見て、あぁ、自分もカノンみた

いな容姿で、可愛い仕草で笑う女の子だったら、どんなにいいだろうと思っ

た。

カノン:「私の家族は、父と母と、兄、弟、犬と私の5人と1匹家族です。

これが写真です」と言って二人に見せた。

ソンジェ:「ここは?どこですか?」と言った。

カノン:「横浜の山下公園で、撮った写真です。私は横浜生まれの横浜

育ちです。大学は、東京ですが、やっぱり神奈川県の横浜が好きです。

港や海があって凄くいいところです。良かったら遊びに来て下さいね」と言った。

写真を見ながらソンジェもまた、カノンを羨ましく思った。

家族全員で仲良く写り、皆が笑顔だからだ。

スンミ:「家族は仲良しですか?」

カノンは、二人の事を考慮しながら「・・・そうですね、、、悪いか良いか?と

聞かれたら、良いと思います。・・・でも、弟とはいつもケンカばかりしてました。

そしていつも泣かされるのは私で・・・兄は、ソンジェお兄さんに雰囲気が似て

ます・・・・でも、鈴木家の期待を一心に受けているので、厳しく育てられ、、、

私も弟も、兄とは余り一緒に遊んだりとかしてなかったと思います。

ですから、喧嘩もしないし。。。」と言った。

ソンジェは、今は、スンミ達とは一緒に住んでなく、一人暮らしを自活でやっ

ている様子で、、、、家族との折り合いが悪い様子だった・・・・

スンミは、大きな屋敷にいつもお手伝いの人と暮らしている様子で、両親は

いつも仕事で忙しいし、韓国は勿論、世界中を飛び回っていた・・・・

学校へも、車で送り迎えをして貰っていると聞いた・・・

カノン「私は、出来たら車よりも、電車で学校に通いたいです。それから、

バスにも乗ってみたいです。えへへ」と言った。

ソンジェは、日本側から提示されたアプリケーションでは、カノンが物凄いお

金持ちのお嬢様で、お姫様のように大切に育った事が記載されており、

きっと我儘で、性格もキツイのだろうと思っていたので、今日の初日は、

両親は、行けないから、妹だけがこの会場に参加では、妹が何を言われ

るか?分からないと思い、一緒に来る事にしたが、カノンと話している内に

カノンが、とても優しい、可愛い女の子である事、、、決してお金持ちを

ひけらかしたりしないこと、、、意外にも庶民的な、経済感覚も持ってい

る事を知り、嬉しくなった。

韓国人の女の子もそうだが、大概の女の子は、スンミを見ると、一歩も

2歩も引いて、怪訝な態度を取るからだ。

カノンは、そんな事は一切せず、寧ろ、スンミと仲良くなりたいと言う気持

ちが伝わって来た。スンミも自然な笑顔で会話をしていた・・・

スンミにとっても良い日本人の友達が出来て良かったと、安堵するソンジェ

だった。

食事は、日本料理と韓国料理のビッフェスタイルのものだった。

ただ、テーブルについたままで、ボーイやウエイトレスが、注文を聞いて、

盛り付けして持って来てくれるものだった。

カノンは、自分の大好きな、韓国料理のトッポギや、ビビンバ、キンパブ、

を頼んで行った・・・一方、ソンジェは、豆腐サラダ、お寿司、てんぷら、

すき焼きなど日本料理ばかり頼んでいた・・・・

スンミが「お兄さんは韓国人のくせに、日本料理ばかり・・・カノンちゃんは、

日本人なのに韓国料理ばかりですね?面白いわ。」と言って笑った・・・・

ソンジェは「日本料理は何でも好きでした・・・日本に居る時は、牛丼・

カレー・ラーメンの繰り返しで食べてました。寿司は回転寿司を良く食べ

ました。ハハハ。」と言った。

カノンも「回転寿司、私も大好きです・・・私も弟も回転寿司屋さんに

行きたいと、両親にせがみました。好きな物がお腹いっぱい食べられるか

らです。私は、卵やノリ巻きが好きです。弟は、納豆巻きとか、鉄火巻

きとかが大好きで、二人でいつもそればっかり頼んでました。えへへ」

と言って笑った。

ソンジェは、またもや意外だと思った・・・カノンの様なお嬢様が、回転寿司

屋とは、考えられなかった・・・・

楽しそうに庶民的な食べ物屋の話をする事も、ソンジェにとっては、好感度を

増した・・・

 大学生になってから、牛丼屋さんにも友達と行って食べりしているとも聞き

「やっぱり汁ダクが美味しいよね?」とカノンから聞かれた時は、お腹を抱えて

笑ってしまったのだった・・・・

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楽しい歓談と食事が終わり、それぞれの家族の家へと解散となった。

久美子もミドリも「カノン、じゃあ、またね。落ち着いたら電話かメールするね」

と言って元気良く別れて行った。

 殆どの家族は、自家用乗用車で来ていたので、それに乗り込んで、

   家へと向かうのだが、カノンの場合は、兄と妹の迎えだけであった。

ソンジェはホテルから出ている模範タクシーで家に行こうか?と言ってくれたが、

カノンは、地下鉄でも、バスでも構わないと言った。

       するとブッブーと言うクラクションが鳴った。

              運転手が出て来て、挨拶をした。

            「李家にご滞在される鈴木様ですね?

              お待ちしておりました。お荷物は、それですか?」

              と言って、、運びいれようとした。

         カノン達にベンツのリムジンでのお迎えが、来ていたのだった。

おそらく、ソンジェ達の両親が、迎えに行けない代わりに、リムジンを用意していた

のだった。

       ソンジェは、こう言った両親のする事に反発を感じていた。

忙しいのは理解するが、いつも子供たちに寂しい思いをさせ、そしてお金や権力で

解決させようとする姿が嫌いだった。

           スンミは、どうしようか?と言った顔をした。

         ソンジェは、一寸、目を閉じて、そしてカノンに優しく語りかけた。

ソンジェ:「カノンちゃん、日本からのカノンちゃんの荷物も沢山あるし、

    折角、迎えに来たから、今日は、リムジンで家に行く方が良いかもね?

      僕は、このまま自分の家に地下鉄で帰るよ。

          バスも出ているしね。何か困った事があったら、、、、

       連絡してね?いつでも構わないから・・・」と言って名刺を渡した。

カノンは:「ハイ、、、分かりました。今日はどうも有難うございました。

         ソンジェお兄ちゃん、またね?気をつけて帰って下さいね。」

            と言って手を振った。

        カノンのその姿がとても可愛いかった。

      ソンジェはクスクスと笑いながら、

           妹のスンミに「じゃあ、スンミも、またね。」と言った。


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家に向かう車の中で、スンミはカノンに「久しぶりにソンジェお兄ちゃんが、

笑う顔を見た事や、、、

いつも実家に帰ると、ソンジェの実の父とソンジェは、大喧嘩になって

しまうことや、スンミの母もうろたえて、どうソンジェに接してよいか分からず

オロオロすることなどを、伝えた。

母はスンミの実の母親なのに、スンミが醜い事で、嫌っていることと、

大学卒業の前に、整形手術を必ずしなさいと言われていること・・・・

  そして綺麗になって、李建設会社や、デザイン事務所を切り盛りできる、

婿養子をとって、財産を全部、乗っ取りなさいと言っている事を簡単に話した。

  父親は、ソンジェに建設会社を継がせたい様子だったが、

母は、それは許さなかった。

 ソンジェは、家を継ぐ気持ちはないそうだったし、出来たら音楽家になって、

済州島へ渡って音楽生活を穏やかにしたいと、先ほどの食事の時も、語っていた。

     どうやら複雑な家に滞在することになったのかも?

                      とカノンは思った・・・・

それでも、ソンジェもスンミも優しかったので、仲良く楽しく過ごしたいと思った。

新村のスンミの家に到着すると、先ずは大きな家で、お手伝いさんも日ごとに変わ

るがいるみたいで、物凄く贅沢な造りになっているお屋敷だった。

  玄関も広く、一体、何人家族?と言わんばかりの広さであり、流石は韓国でも

      随一の建設会社だと思った。

カノンは、2階の空いている部屋どこでも使ってよいと言われたが、部屋が沢山

ありすぎて、迷子になりそうだったので、取りあえず、スンミの部屋の隣りにした。

20畳ほどある大きな部屋で、机、ベッド、プラズマTV、クローゼットなど、全て

揃っていた、専用のシャワールームと、トイレもあった。

 「わぁ!何だか、お姫様みたい・・・」と言って、荷物整理に取り掛かった。

明日から、直ぐに学校が始まるし・・・・本当に韓国に来て、語学研修が始まる

んだぁと思うと、心が高鳴って来た・・・・

  ホンデ大学は、ここ新村から、とても近いし、2号線の地下鉄で直ぐに行けると

         ガイドブックにも書いてあった。

スンミとも、地下鉄で行こうと約束を交わしていたので、早めに起きなければと思い、

日本から持ってきた目覚まし時計をセットした。

          その時、トゥルルとカノンの携帯が鳴った。

                  日本からローミングして来た携帯だった。

      「もしもし?」とカノンは言うと、日本からカノンの両親からの電話だった。

   母親:「カノン、韓国着いた?どんなお家だった?楽しく出来そう?」

父親:「カノちゃん、何かあったら、直ぐに連絡しなさい?良いかな?」と母親の

電話を奪うように、カノンに話しかけた。

カノンはケタケタと笑いながら、簡単に、滞在家庭の話をし、明日は第一日目

だから早めに就寝する事を伝え、詳しくはメールするで、締めくくった。

本当に心配性な両親なので、何十回も大丈夫だと言っても、心配するし・・・

親離れ・子離れがずっと出来ないままになっている感じがして、、、

弟のトワは、歯がゆくて、イライラして反抗したりもするが・・・・

気持ちの優しいカノンは、反抗もせず、おっとりと構え、更には、有難いことだと

感謝している・・・本当に素直で優しい娘だった。

  「さてと!!!準備万端!!やったね」と独り言を言いながら、

カノンは、シャワーを浴びて、直ぐに寝ようと思った。。。。

          部屋のカーテンを閉めながら、カノンは       

        「明日は、晴れると良いな」・・・・

             呟きながら、シャワーを浴びに向かった。


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