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作品名:潮風のセレナーデ・・・会いたい気持ち・・・ 作者:HAPPYソフィア

第26回   秘密ちゃん大作戦・・・秋の気配・・・

  ※※※サヤカがソンジェに書いたメール※※※

    ソンジェさん

 こうして、ほぼ毎日のように、ソンジェさんとメル友が

  出来て楽しいです。

  本日、無事、日本に帰国し、今、世田谷のマンション

  に戻って来ました。

  ソンジェさん、実は、さっき妹から、カノンの記憶を

  消すために実家に送っていた荷物の一部が送り

  返されて来ました。その中に、携帯電話があって

 その携帯の最新の履歴に、カノンに宛てたメール

 があって、そのメールの主が、鄭テファさんからの

 物だったんです。

   携帯は、解約はせずにいました・・・

 携帯は現代の日本人にとっては大切なアイテム

 だからです・・・

 カノンは、もう既にテファさんと再会し、カノンの

 通う語学堂はホンデだったのでしょうか?

   何で、カノンは嘘をついたのでしょうか?

  それがとても悲しいし・・・・

 もしかしたら、カノンは、テファさんの事や記憶が

 戻ってしまったのではないかと?心配しています。

 ソンジェさんも、何故、ホンデの事を私に隠して

 おられたのですか?

   悲しいし、残念ですね?


            サヤカ

※※※※                ※※※※


  メールを送ろうとした時、カノンは、もしかしたら

自分が、異様にも春の旅行でホンデ前で事故に遭った事を

心配していたから、ホンデと言う言葉を伏せたのかも?し

れないと思った・・・そうだ、気持ちの優し子だから・・・・

 ソンジェにも、きっとその事を伝えている筈だ・・・


 サヤカは、今一度、テファのメールを読み返してみた。

 すると、カノンは、未だ記憶を思い出していないようだし、

 テファも、自分の事を名乗り出る事がない様な、内容

 だった・・・・

  それでも、カノンが、語学研修で韓国に来てくれて

  有難うと書いてあった・・・・・


 サヤカは、カレンダーを見た・・・カノンの語学研修も

あと少しで終わる・・・・きっと記憶は戻らないまま、終わる

・・・そう、大丈夫・・・・サヤカは自分の心に言い聞かせた・・・

  それにカノンにはソンジェさんがいるもの・・・・

 ソンジェさんだったら、きっとカノンを幸せにしてくれる・・・

             そんな気がした・・・・・

  そしてソンジェに送ろうとしたメールを、削除した・・・


      きっと大丈夫・・・・

          カノンは、テファとは

                   もう

                     戻らない・・・・




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






         刻一刻と、


    秘密ちゃん大作戦の日が近づいて来た・・・・
 



  カノンはテファに、


     再度、隠れ家のお店に連れて行って貰った。

 今度は、個室ではなく、玩具の国みたいな可愛い、

 カウンターのある店内で、そば粉を使ったクレープの

 創作料理を食べていた・・・



 テファ:「いよいよ、明後日、

        14時半にこのお店の裏にある駐車場で

          待っているから、出発だよ。

        良いかい?一旦、家に帰るフリをしながら

                        来るんだよ?」

 カノン:「秘密ちゃん大作戦・・・

     上手くいくかな?ドキドキして来ちゃった!!」

テファ:「カノンの荷物は、僕が部室から朝、

     研究室に行くフリをして持ってゆくから大丈夫さ。

     カノンは軽装で来るんだよ?分かった?」


カノン:「・・うん・・・

     オッパ、もしユリさんやスンミちゃんに

                     バレちゃったら?」




テファ:「・・・・そしたらその時、考えよう。

     まだやってもいないのに、心配したって

             しょうがないよ。」と言ったので、

        カノンはビックリした。



 何故ならば、テファはぶっつけ本番は苦手だから、

 用意周到と言うか、何をやるにも、計画をじっくり

 練って、練習も何回もするからだった。



  どちらかと言うと、カノンの方が、

      ぶっつけ本番が好きで、火事場の馬鹿力を

            出す方だったからだ・・・

       カノンがプププっと笑った・・・



        テファ:「どうしたの?カノン?」

  カノン:「オッパ、どうしてそんなに面白いの?」

       テファ:「え?どこが面白いの?」


    カノン:「全部・・・・全部が面白いです・・・」



    テファ:「え?全部?!」っと

           ビックリしていた・・・


 テファは、間違っても面白いと言われる外見でも

  ないし、イメージもないからだ・・・・

   パランファのボーカルは、いつも美しくて、

   格好良い・・・何をするにもクールに決めて、

  誰からも憧れを持たれる存在だったからだ・・・・



  テファ:「カノン、カノンの方が面白いよ・・・・

       きっとカノンの面白いのが移っちゃった

            のかもしれないな・・・・ハハハ」



   カノン:「えぇ!!カノンのが移っちゃったの?

        ・・・カノンは真面目だし、

         面白くもなんともないよォ〜!!

         ・・・でも、笑う門には福が来るから、

        沢山、笑った方が良いかもね?えへへ」

 


 テファは、ハハハと笑いながら、

             カノンを優しく見つめた・・・・




  問題は、帰宅した後の事だ・・・

        きっとこの旅行の事は、バレテしまうだろう。

 ユリ・・・スンミ・・・ソンジェ・・・

          新たに加わった李ヘジャ・・・

   クラスメイト達・・・その時、どう言えば良いのか?



    どうなるのだろうか?

     テファは旅が未だ始まっていないのに、

   旅の終わりを心配した・・・・

           だが、直ぐに思い直した・・・

 

   カノンは日本に帰国だし、

       自分も卒業し来年は日本に就職をする・・・

  この旅行で、万が一でも、カノンの記憶が戻ったら、

              最高に嬉しいし、、、


    記憶が戻らなくても、

          新しい二人の付き合いを始めれば良い

             ・・・大丈夫だ・・・


         きっと上手くいく・・・

           テファは心の中で何度も呟いた・・・


 テファ:「ところで、カノン、ユリからチョット

            聞いたんだけどね、カノンの家に、

      つい最近、帰国した李ヘジャって言うスンミと

                同い年の女の子がいるの?」



        カノン:「え?・・・李ヘジャ?」



   カノンはその名前を言いながら、

       ブルブルと訳が分からず、震えだした・・・・




  テファ:「カノン?どうしたの?真っ青だよ・・・

                御免、御免・・・

       話したくなければ話さなくても良いよ・・・

      僕もユリから少ししか聞いてないんだけど?

       アメリカから帰国して後期からホンデの

      日本語学科に編入するらしいんだ。

     ユリが恐れてるくらいだから、カノンはもっと

     怖いかもしれないね?

      カノン、もうすぐ夏休みだし、

     それが終わればホームスティも終わり、

      帰国だから・・・

      だからもう少しの辛抱だよ・・・

            大丈夫・・・

       何かあったらオッパが

           カノンを守って上げるから・・・

             心配は要らないよ。」

        そう言って、テファはカノンに微笑んだ。




  カノンは、オッパがいれば、怖い物はないと思った。

  日本に居た時も、いつもそうだった・・・

  オッパは悲しんでたり辛い思いをしている

  カノンを笑顔にさせてくれる魔法使いみたいだった、、、

      時には最高のお医者さんでもあった。



  カノンは、テファにスンミが二人居ると言う話しや、

  今まで疑問に思ってる李家の話しなどを、

  正直に話した。


    ヘジャは、美しい女性で、最初に会った時は、

  言葉の話せないうめき声しか出せない女の子だと

  思った事などを伝えた。




  テファ:「・・・そうか・・・

         じゃあ、ヘジャは、アメリカには

       留学してない感じがするよね・・・

       僕が思うに、スンミは二人いるんじゃなくて、

       2人が一人を演じているんじゃないかな?

       僕も、李家の誘拐事件の事は、覚えているよ。

       僕が高校生の時だったから・・・・

       一人は死んじゃったんじゃなかったかな?

       ・・・真相は明らかにはなってないんだ・・・・

       どちらかが、本物のスンミで、

       どちらかがヘジャなのかもしれないな。

       今までの試験も二人で得意分野を分けあって、

       受けていたから首席だったのかもしれないな・・・

               まてよ、、、

           どちらも一応、李家の娘なのに

             一人はオドオドしていて、

      皆から醜いと言われイジメに遭っても絶えている

     ・・・もし僕だったら、お金持ちを利用して整形手術を

     するかな?

         そうすれば少なくとも、

        容姿に関してはイジメられないし・・・

       学力だっていい筈だから、

              皆から尊敬もされただろうし・・・

     財産だってある・・・

           でもそれをしないって言うのが変だな・・・」




  カノン:「オッパ・・・カノンも、そう思ったし、、、

       実は前に、その話しをソンジェお兄ちゃんにした事が

       あったけど、スンミちゃんはその資格は無いって・・

       整形出来ないみたいな事を言ってた・・・・

             うん、確かに言ってた・・・

                それって、何か関係あるのかな?」





テファ:「・・・うん、僕の考えが当たっていれば・・・

                   恐ろしいな・・・」と心の中で

     呟いて、これ以上、カノンを怖がらせてはいけないと

                   テファは思った。





          テファ:「・・・いいかい?

               カノン、、カノンは何も心配したり、

               怖がる事は無いよ。

                   大丈夫・・・

                 僕がいつもいるからね・・・・

              カノンはあともう少しの韓国での生活を

         マイペースで楽しめばいいんだよ・・・良い?」



     カノン:「・・・分かった・・・

            オッパがいればカノン、全然、平気だもん。」

          と言ってニッコリ笑った。


 そして箸でクレープを挟んで「オッパ、あ〜んして!」と言った。

    テファは、「あっ、うん」と言って、あ〜んと大きな口を開けた。



           テファ;「うん、美味い!」



      カノン:「良かった・・・クレープ美味しいね?」




   カノンも、一日も早く滞在を終えて帰国したかったが、

   帰国をする事、イコール、テファとの別れを意味する事なので・・・

   急に寂しくなった・・・・



  怖くても良いから、

      ずっとテファと一緒に居たいとさえ思ってしまえるくらい、

           テファとの時間は楽しい物だったからだ・・・・







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





  ヘジャ:「スンミ・・・スンミ・・・良いわね?

             明日は100点満点を取るのよ・・

         漢字のテスト・・・

          あなたは得意な筈よね?

         100点以外は絶対ダメよ・・・

       ユリにだけは、負ける訳にはいかないんだから・・・・」



 スンミ:「・・・ヘジャ様・・・100点は厳しいですよ・・・

      私も最善は尽くしますが、 習っていない難しい漢字が、

      毎回、3問は出されるじゃないですか?」



 ヘジャ:「ダメよ・・・

       ユリが今回は、スンミを抜かせるかも?

       と皆に豪語していたもの・・・

           あの自信満々な顔が怖いわ・・・

       聞けば優秀な日本人の家庭教師を何人も住み込みで

       雇って、特訓して貰っているし、、

       更にはホームスティしている金子瞳にも添削とかさせたり、

       レポートを書いて貰ったりしていると聞いたわ・・・

           うちはどう?

       初級クラスでもやっとの鈴木カノン・・・

          何も役にも立たないし・・・・・

            私のテファにチョロチョロまとわりついたり、、、

       音楽馬鹿の兄さんがいなかったら、

          目ざわりで仕方ないわ・・・・

        でも、語学堂の夏休みは、先生の 田舎に

        1週間行っててくれるから、心の平安が保てるわ・・・

         ずっと帰って来なくてもいいのに・・・

                      いつ出発だったかしら?」



  スンミ:「明後日の金曜の24時出発の夜間高速バスらしいです。

       チケットがその時間しか取れなかったって聞きました・・・

       そこから4時間半から5時間かけて、

         江原道に行くらしいです・・・

           先生の実家に着くのは朝の7時頃だと聞きました」



   ヘジャ:「・・・そう?別にカノンには興味は無いから、

         どこへ行こうが、何をしようが構わないけどね?・・・・

        でも他人の楽しみを奪うのも楽しいわね・・・

        カノンは、江原道い行くのを楽しみにしているんでしょう?

                      その楽しみを奪うのも良いかも?」





   スンミ:「・・・そんな・・・カノンちゃんがいなければ、

          邪魔者はいなくなるんだから、いいじゃないですか?」



   ヘジャ:「・・・フン、スンミ、私に意見するの?生意気ね?

          ・・・まっ、スンミの言う通り、カノンみたいなウザイチビ狸が

         ウロチョロするのにも腹が立つから・・・

          いない方がいいかもね?・・・・・

            ところでスンミ、テファは夏休みはどうするのかしら?

                      テファの情報は?」

スンミ:「ハイ、ユリの話しでは、ユリの別荘に一緒に行くかも?

     と言ってますが、テファは大学の研究もあるみたいだし、

     専門学校に通って何かコンピュータの技術資格を取りたいって

     言ってたって、同じ学部の学生が言ってました。

    それに秋には、学生生活最後のバンドのライブがあるから、

     その練習もしたいみたいです・・・・」

ヘジャ:「・・・そう?じゃあ、ホンデには割と頻繁にテファは通うのね?」

     スンミ:「・・・だと思います・・・就職活動もあるでしょうし・・・」

ヘジャ:「パパに言って、テファを李建設会社に就職させたいわ。

          良い待遇でね・・・

      だって次期、社長だもの・・・

              テファは私のお婿さんになるんだもの・・・」




             スンミ:「・・・・そっ、、、そうですね・・・・」



   ヘジャ:「・・・その前に、姜ユリ・・・・

          姜IT会社を捻りつぶすわ・・・

                 先ず・・・           

              あの女から財力を取ったら・・・

             どうなるかしら?」



                   スンミ:「え?」



ヘジャ:「フフフ・・・スンミは、とにかく、明日のテストは100点よ・・

                   良いわね?」



       スンミ:「・・・・ハイ・・・分かりました・・・」




  スンミはそう言って、

      早々に部屋に戻り、徹夜覚悟で猛勉強をしだした。




     ヘジャは、フフフと含み笑いをしながら、

          雑誌で姜一家の幸せそうな写真の載って

      いる部分を見ながら、

        「もうこの幸せな家族の写真は見る事は

             出来ないのね?

          姜IT企業も、一夜にして終わりよ・・・

         しかも、夏休みが始まる日から、奈落よ。

             アハハハ」と笑った。



   ヘジャのプライドを傷つけたり、ヘジャよりも優れていると

   自慢をする者は容赦なく末梢するのが

    ヘジャは好きだった・・・

   ユリよりもシタタカで、意地悪で、、、

            ドス黒い

         ・・・・暗黒の女王様だった・・・・


  ヘジャは「いよいよ時が来たわ・・・見てらっしゃい、

             姜ユリ・・・長年の恨み、

    一気に晴らしてやるわ。そしてテファは私の物にするわ・・・」

          と言って寝室に戻って行った・・・・





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  「では、皆さん、夏休みを楽しく過ごして下さい。

   健康や事故には気をつけて!来週、会いましょう。」と

  担任の林先生が言って、語学堂の夏休みが始まった・・・・






   アヤ:「結局、うちらは、家族で過ごす事になっちゃって、

       カノンだけが、先生と田舎へ行くんだね?」



    ヒロミ:「ごめんね、、、カノン、、、一人で大丈夫?」



カノン:「えへへ・・大丈夫だよ〜、

      秋の童話のロケ地に行けるから超楽しみだもん♪」



        ヒロミ:「今日、行くんだっけ?」



  カノン:「・・・うん、、、えっとね、、あのね、、

          一旦、家に戻って荷物持って、

       夜の深夜バスで行くって事にはなってるの。

        でも・・・本当は、直ぐに出発するの。

                  これは内緒なんだけどね。」

  


   カノンは、

    簡単に今日からの夏の計画を二人にこっそり話した。




   二人は、「絶対に秘密だね?成功を祈るよ」と

                言って親指を立てた。



  アヤ:「そうか〜あの家にいるよりは、

           全然、安全で、楽しいかもね?

                         良かったね?」



          ヒロミ:「いつまでだっけ?」



   カノン:「一応、3泊四日って言ってるけど、

             出来たらギリギリ1週間行って来たいと

        思ってる・・・私もあの家に居たくないから・・・

        詳しくは、向こうから携帯でメールするね?」



  アヤ:「うん・・・分かった・・・

       カノン、うちらはカノンのいつも味方だからね。」




   ヒロミ:「協力できる事は何でもするから・・・

                     楽しんでおいで。」



               カノン:「有難う」






   カノンは、早々に二人に別れを告げて先に教室を出た。

    足早に、待ち合わせの駐車場へと向かった・・・・

     キョロキョロしていると、車が近づいて来た、

            テファだった・・・



        「カノン、早かったね?」テファは笑いながら言った。




   カノンは

      「秘密ちゃん大作戦だから、ドキドキしちゃった」

              と言って笑った。



  テファは、車に早く乗ってと言ったので、

       カノンは後ろの座席に座ろうとしたが



        「何で助手席に座らないの?」と

         テファがカノンに聞くと、

  助手席だと目立つし、隠れるのが大変だし、

   よく雑誌のスクープだと助手席に座ってる人が写って

      いるから・・・と言って、後ろに座ると言った。




  テファは面白くてゲラゲラ笑ったが、

     「ナビもして貰いたいし、話し相手もして貰わないと

     眠くなるから、助手席に座って欲しいな」と言った・・・・

     

 土地勘もないカノンはナビにはならないけれど、

 話し相手は出来るのでカノンは、しょうがないなっと思いながら

  助手席に座った・・・




  カノン:「スキャンダルになったらどうする?

           秘密ちゃんがバレちゃうかも?」と言った・・・



     テファ:「ハハハ・・・大丈夫だよ。

           僕らはそんな有名人じゃないし、スキャンダル

             になりそうもないよ・・・ハハハ・・・だろう?」



  しかしカノンは

        「甘いな、オッパ・・・

          だってオッパはホンデの華麗なる学生なんだよ。

               パランファのボーカルだし、

              凄い人気があるもん。

             だから、スキャンダルになっちゃうよ」

                   と言った・・・



         テファ:「・・カレーライスの学生?」

                っとふざけてテファは言ってみた・・・



        カノン:「え?違う、違う、

              華麗なるって言うのは、

              華やかで格好良いって言う褒め言葉でね、、、

             オッパは、ホンデで1番モテモテちゃんなの・・・・

              だから、

           もし、カノンみたいな豆狸と一緒に逃避行?

           とかって分かったら、大変な事になるかも??」



   テファ:「ハハハ〜、カノン、

          肝っ玉が小さいね?ぶっつけ本番に弱いね?」



   カノン:「え?違うよ〜、カノンはオッパを心配してるのに・・・」



    テファ:「ハハハ、心配は要らないよ・・

         日本に居た時、僕は京都や奈良・大阪

         にも旅した事もあってね・・・

        そこで平家物語と言う昔の作品を読んだ事があった

         んだ・・・カノンは知ってる?」

カノン:「うん、高校生の時、勉強したけれど?

      何かベベンッベンベンって言う琵琶を弾く法師が、

      歌を読みあげるんだけど・・・

      勢力や栄華を誇っている者も、いつかは忘れ去られ、

                滅んで行くって言う内容の物・・・・」



   テファ:「そうそう!!ホンデの新しいスターや、

          人気者は、直ぐに生まれて育つのさ。

         僕は、自分が人気があるなんて思えないし、

         格好良くもないし、、、歌も、歌う事が好きだから

         バンドを組んで歌ってるだけで、人気なんて関係ないよ。


          鄭テファは、

            ホンデのただの一人の学生に過ぎないしね・・・

 

          来年は卒業してるし・・・

                もうホンデの学生じゃないからね・・・」



    カノン:「オッパは、来年は社会人ですね?韓国で働くの?」

テファ:「いいや・・・僕は日本に行くと思う・・・

      出来れば日本の企業に就職して

                半導体の仕事をしたいな・・・」

 

                 カノン:「半導体?」



  テファ:「ん?・・あぁ、、例えばね、携帯電話・・・

       半導体が欠かせない商品なんだけど・・・」



      カノン:「携帯電話の会社に就職したいの?」



  テファはハハハと笑いながら

            「まぁ、そんなトコかな?」と言った。



  カノン:「カノンの携帯はAUだよ。ホラ!」と言って

             運転しているテファに見せた。



    テファは、

      カノンが携帯を変えた事を改めて知った・・・

          日本にいた時は、

     偶然にも、自分と同じ携帯だったし、

       機種も色も同じだったからだ・・・

  良く取りちがえて、家に持って帰ってしまう事が

      あったので、見分けを付ける為に、

            カノンが、トウモロコシ頭をした男の子

      =つまりテファのぬいぐるみを

      携帯ストラップ風に作って、つけたものだった。



    カノンはカノンで自分のぬいぐるみを

           やはりつけてお揃いにしてつけた。

 


  今のカノンの新しい携帯はピンク色のキティ柄が

         ついている物だった・・・・

   カノンは、実は、この携帯は2台目で、

    前使っていたのは、春にソウル旅行をした時に

   交通事故の際、壊れてしまい、

      新しい携帯に替えてしまったと言った・・・

  凄く気に入っていた白い携帯だったので、

            ショックだとも言った・・・・



  テファ:「・・・カノン、ピンクの新しい携帯も

        凄く可愛いくていいじゃない。

      なくしたり壊れた物に対して悲しみを

      ずっと引きずるよりも、新しい物にも

      愛情や想い出を沢山つくって上げれば

      いいんじゃないかな?って思うよ。

      過去よりも、未来・・・

       そう考えた方が、

      楽しいしポジティブで良いかもね?」

                   と言って笑った・・・



   カノンは、「そうだね?ポジティブで行こう!!」

              と言って笑った・・・・






ーーーーーーーーーーーーーーーーー





    一方、スンミ達の日本語学科の最終試験が

            終わろうとしていた・・・・

            



            ジリジリジリ

    チャイムの音が鳴り、


         先生が「ハイ、止めて!」と言って


           答案用紙を回収した・・・・・




  今日も、スンミの代わりにヘジャが試験を受けた・・・・



      ヒアリングと書き取りはヘジャが得意な

  科目だったのだが、それよりもこれから起こる事柄を、

   ニタニタと笑いながら見物したかったからだ。






   担任の先生が最後の前期ホームルームに来る前の

     20分間の演劇?

        いやドラマが始まろうとしていた・・・・


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