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作品名:雲の中の花 作者:パプリカ

第1回   1
「サイテー!!」

甲高い声が響いた。その瞬間、オレの目の前に手が現れた。

(・・・あ、意外と指太いんだな・・・)

バチンッ!!

鈍い音とともに、オレの頬にはものすごい衝撃がきた。

少しよろめいた。思わず頬に手をやった。

じわりじわりと痛みがやってきた。

「いってえー・・・」

弱弱しく漏れた声。少し恥ずかしくなった。

「なんなのよ!ハヤトのばか!もう知らない!さようならっ!!」

女が叫んだ。目には涙がたまっていた。そして女は短いスカートを揺らして、走り去っ

ていった。


しばらくぼーっと立ち尽くす。

(最近の女の子って・・・泣いても化粧落ちねえんだな・・・)



毎日が『コレ』の繰り返し。(ほっぺ叩かれたのは初めてだよ?)

峰山速人。17歳。近所のなんでもないフツーの高校に通う。

そこでは『女をとっかえひっかえするチャライ男』で有名。

評判はそんなによくない。だってしょうがない。女の子が向こうから集まってくんだか

ら。いわゆるくる者も去る者も拒まずってやつ。

女の子といて苦になることは一切ない。ただ、しつこい奴と束縛する奴は嫌い。それだ

け。

今日も一人の女の子と別れたわけだ。

いいんだ、別に。他の子ならいくらでも寄ってくるから。

でも最近ちょっと女の子に飽きてきたころ。だっておんなじことの繰り返しだし。今日

なんかビンタされたし。つーかさあ、ここ職員室前だから!!!すっげーせんせー達に

じろじろ見られるんだけど!!後で絶対説教くらうし。

今日みたいな思いはもううんざりだね。

・・・かといって『本気の恋』するつもりもさらさらない。

なーんか楽しいことないかなあー・・・



ブーッブーッ・・・



「うおっ!・・ビビるわ。」

ケータイのバイブ。電話だ。

「もしもし?」

「おーハヤト!オレ、オレだけど。」

「・・・あ?その声はユウ??」

「あたり。よくわかったな〜!」

緑崎雄大。通称ユウ。オレと同じクラス。中学校からのダチ。意外と長い付き合いでこ

こまでやってきている。

数年間の付き合いながら、オレはユウの番号を知らなかった事に今気づいた。

「で?何の用?」

「あ〜じつはさあ〜来週にさ、合コンがあるんだけどお前も行かね?」

「はあ!?合コン??」

ユウいわく、オレを合コンに連れて行くと女の子がみんな俺を狙うからオレは一生合コ

ンに誘われない奴らしいんだが・・・。

「そうなんだよ〜な?ハヤト?行くだろ??合コン!」

いったいどういう風の吹き回しだ??それに・・・

「あのさあ、オレ今彼女と別れたばっかなの!ビンタまでくらったし。合コン行く気に

もなれねえわ。」

「まーじで!?ビンタくらう奴とか初めて聞いたんですけどー!!」

にゃろう・・・おもしろがりやがって・・・怒

「じゃあな!!そーいうわけだから!!!」

頭にきたから電話を一方的に切ってやった。

「・・・帰るか。」

教室に戻って帰る支度をした。ケータイを見ると、女の子から『一緒に帰ろう』のメー

ルが10件あまり入っていた。

(・・・めんどくせえ。)

今日はなぜか女の子と帰る気になれない。あんなビンタをくらったからだろうか。

そんなことはもうどうでもいい。・・・しょうがねえ。一人で帰るか。



人生初かもしれない。『一人で下校』。

中学生のころは大半がユウとだったし、高校生になったら女の子と帰らない日はなかっ

た。


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