しばらく沈黙があり・・・
薫 『すいません、長々とついつい話すぎました。 だから、私あなたと共に歩けません。 本当にこんな私にありがとうございます。 本当にありがとうございます。』
恵太 涙があふれて止まらない
薫 『・・・私そろそろいきますね。 恵課長さん、楽しい一時を本当にありがとうございました 恵課長さんならきっと、すぐ課長さんになれますよ。 だって私にはずっと課長さんでしたよ、そしてこれからも』
恵太 『・・・・』
薫 『では、お元気で・・・・』
恵太 涙で引き止めることができない そんな時薫が躓きかける 薫も震えていたから。ドキドキしていた。 こんな自分を好いてくれる人がいたこと、 それより何より、恵太と別れて以来誰にも話してこなかった 過去を人に話した事、そして自分自身でも今の気持ちを 言葉に出すことで、自分の隠していた思いが溢れて止まらなかった いるはずのない恵太に会いたくなった 封印してきた思いが溢れて薫の気持ちを足をはやらせたのだった そんな薫を恵太が受け止める
薫 『・・・・あり』
恵太 『・・・気をつけてくださいね。薫さんらしくもない』 薫 『・・・・めぐみ課長・・・(小声で)』
恵太 『・・・?薫さん?』
薫 『めぐみ・・・・恵ちゃん?』
恵太 『・・・・か、お、る?どうして?』
薫 『けいちゃんっ・・・』 我慢していた涙があふれて止まらない
手で恵太を触る、始めはその手から そして、恵太の顔を確かめるように触る 手を覚えていた 感覚が覚えていた 手のぬくもりを、大きな手を、力強い感覚を 恵ちゃんの感覚を 目は見えなくても体が感覚が覚えていた 恵ちゃん、声がかれていたからわからなかったよ シャンプーも昔と変えたんだね わからなかったよ けいちゃんけいちゃん、本当に恵ちゃん 夢じゃないんだ
薫 『恵ちゃんだったの? 恵ちゃんだったの? ずっと恵ちゃんだったの・・・』
恵太 『かおる、そうだよ』
薫 『恵ちゃん・・・傍にいたんだね』
恵太 『かおる』
薫 『恵ちゃん、恵ちゃん、 ・・・・ごめんなさい。 恵ちゃんごめんなさい。恵ちゃん・・・・・ (声にならない)』
恵太 『かおる・・・ 薫の気持ち初めてちゃんと言ってくれたね。 ごめんね薫。寂しかったね薫 僕のせいだったんだね、ごめんね薫、 薫の手を離してごめんね 本当に一人寂しかったね よく頑張ったね薫 本当によく頑張ったね』 (恵太の癖の髪をくしゃくしゃする)
薫 『恵ちゃんだね。本当に恵ちゃん』
静かに時が流れ、二人手をつないだまま歩いていく
恵太 『薫、ただいま』
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