僕はというと、変える準備をするほうだったのだが、春が来たのでそれを中断した。
「なあ、今日一緒に帰れる?」 春が、僕に笑いかけながら聞いてきた。
「うーん、僕さ今日は、図書室に行って早速本何があるのか確認したいんだよね。 だから時間かかるし、先帰っていいよ?」
「そっか・・・俺今日用事あるんだよな、でも、俺も図書室行きたいな〜行ってもいい?」 春は、何かと僕と一緒に居たがる、今思えばこれが僕への訴えだったのかもしれない と思う。
「あのー、君達これから図書室行くの?」 楓が、おもに春を見ながら声をかけてきた。
春はいつもは、人懐っこい顔で初対面の人でも話すのに、今日だけはそれをしなかった。 そのため僕が返事をした。
「そうだけど・・・君も行くの?」
「・・・あっそうなの、だから一緒に行かないかなって思って、どうかな?」
「僕はいいけど、春はいや?」
「良いに決まってるじゃん!」 春がいつもの、人懐っこい笑顔に戻った。
それから三人で、図書室に行き三人の見たい本を探していた。 それでも、楓は春の近くに行って楽しそうに春に話し掛けていて、春もそれにこたえていた。
でも、僕は駄目だった。 僕は、初対面の人が苦手で、気がつくと二人から離れたところで本を探していた。
それがしばらく続くと、ケータイのバイブレーションが鳴りだした。
「もしもし、・・・あっ、ごめんなさい、忘れてた、・・・ごめんて、今から帰るから。」 そのケータイは、春のもので、どうやら無視していた用事で電話がかかってきたみたいだ。
「あのさ、俺帰らないといけないから、ごめん、一緒に帰ろうって言い出したの俺 なのに・・・じゃあ先帰るね。」 そう言って、春が図書室から出て行った。
残されたのは、僕と、楓だった。
「・・・あの、じゃあ僕たちも帰る?」 僕は、この空気がだめで、帰ろうと提案した。
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