これは、僕がまだ心も体も幼かった時の高校に入学したばかりのときの話だ。
僕は、幼稚園から高校まで一緒の幼馴染がいる、それが桜井 春だった。 春は、名前も顔も女ぽいけど、男らしくてスポーツもでき頭もいい。 顔も女顔とは、言われているが、奇麗な顔立ちをしていてその当時、モテていた春に 同級生が嫉妬してかつけたあだ名みたいなものだった。 はっきり言うと、僕の憧れだった。
「なあ、何ぼーっとしてんの?早く行かないと入学式終わっちゃうぜ?」 春は、ボーとしている僕に笑顔で話しかけた。
「えっ?あっそうだね体育館いかないとね。」 僕はまた春と同じクラスで、友達のできにくい僕には凄く心強かった。
僕と春は体育館に行って長い話を聞き、名前を呼ばれ退場した。
「それにしても、長かったな〜疲れなかった?」 「そうだね、思ったより長かったよ。」 他愛もない話をしながら教室に戻り、教室でも担任の先生の話を聞いた。
「じゃあ、これで先生の自己紹介は終わりだから、次は君たちの自己紹介をして 貰うよ。順番は名前の順で、好きなこと言っていいから。」
出席番号一番からどんどん、進んでいき次が僕になるまでに進んでしまった。
(どうしよう、何言えばいいんだろう・・・決まらないよ。)
僕がどれだけ時間が止まってほしいと願っても、時間は過ぎてとうとう僕の番にな ってしまった。
僕は、皆のように取敢えず、教卓の前まで行った。
「えっと、僕は木下 匠です。えっとよろしくお願いします。」 やっぱり、友達を作るのが下手なだけあって、喋っていることは皆よりかなり少ない。 そして僕の次の人は女の子で、凄く奇麗で整った顔立ちをした子だった。
「私は、栗谷 楓です。中学はOO中学で、趣味は体を動かすことかな。よろしく お願いします。」 飾りっけはなく、そのままの自分を出しているような感じがして、聞いていても、 何の不快感もない話し方だった。
おもえば、このときから僕はこの人に恋をしていたのかもしれない。
それから、春の自己紹介が終わって次々に皆の自己紹介が終わった。
「じゃあ、これぐらいで今日は終わりかな。明日は、校舎内の見学と簡単な授業あるから 忘れないように。」 先生の話が終わると、皆友達の所に行き話を始めるものや、変える準備を済ませ帰って しまうものそれぞれだった。
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