私と探偵さんは、倉庫らしきところに連れていかれて縛られていた。 「ねえ、探偵さんはこうなる事想定してここに来たんだよね?」 探偵は、沈黙を続けたままだった。 「ねえ、なんか答えてよ。このままじゃやばいでしょうが!」 「・・・だから着いてこなくてよかったんだ。」 鼻で笑ってから、真面目な顔で探偵が言った。
「楽しく相談ごとか?もうすぐ死ぬってのに、お気楽な奴らだな。」 前田が、あざ笑うかのような顔で話しかけた。
「そうだ、もうすぐ俺たちは殺されるんですよね?だったら、人見さんをどうしたかだけでも教えてくれないですか。」
「そうだわ、人見をどこにやったの!約束でしょ私と優貴が何も言わなければ人見を開放するって!」 母が必死で前田に聞いていた。
「・・うるせんだよ!」 突然、前田がキレてきて大声を張り上げた。
「言えるわけないですよね、前田さん。だってあなた、人見さんの事なんか最初からどうでも良かったんですから。殺したんでしょう?自分の手は汚さず、部下に頼んで。」 探偵は、前田を追い詰めるように言った。
「本当なんですか?人見は死んだんですか!約束が違うじゃないですか!!」 母親は泣きそうになりながら前田に聞いた。
「うるせーんだよ婆!第一貴様が俺が麻薬をやってるなんて漏らさなければ・・・それにそこの探偵ヤロー、余計なこと言ってんじゃねえ!」
「私は、麻薬の事は誰にも言ってません。だからあの子を返して!」
「前田さん、僕はただの予想を言ったにすぎません、もちろん証拠もありませんですが、貴方がそれを認めたってことはそれが真実という事ですね?」 探偵は、蔑んだ顔で言った。
「貴様俺をはめたのか!もう良いやっちまえ」 前田は、部下たちに合図を送ると、探偵たちの周りを囲んだ。
「探偵さん、どうするんですか!このままじゃホントに死んじゃいますよ!」
「お前は、本当に落ち着きがないな、少しは落ち着け。」 そして縛られていたはずの探偵はなぜかほどけていて、握っていたレコーダーの電源を切った。
「これで、あんたたちの話は録音されているから、逃げ切るのは不可能ですね前田さん。」
それと同時に、倉庫のシャッターをぶっ壊してバイクに乗った女の人が入ってきた。
「クソ、もう良い構わずやれ!そして、あのレコーダーを取り返すんだ。」 そんなこと言ってる間に謎のバイクに乗った女の人が、部下を全員倒し残るは前田だけだった。
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