私は、ごく普通の高校生長嶋麻衣、だが一つだけ悩みがあった。 それは、母親が、最近帰ってこないことだ。 電話をしても、留守電か話し中になってしまってどこに居るのかさえ分からない。 しかも父さんは、父さんで仕事ばっかりしていて家には余り返ってこない。 母さんのことを父さんに言ったら、自分で探すか、探偵にでも頼んだらどうだと、流されてしまった。 しかも探偵に頼むというのは本気だったらしく、学校に行く前依頼料として八万ぐらい私に渡して一言言った。 「これで、頼んできたらどうだ。」
「全く、うちの家はどうなってるんだっての。」 下校途中一人でいるとき、声を出していたので、周りの目が、私に向いていた。 私は、恥ずかしくなり、急いで家に帰った。 家に帰ってもやはり、誰もいなかった。 「しゃーない、ネットで調べたこの探偵事務所にでも行ってみるか。」 そう言って、ただなんとなくネットに書いてあった住所に向かった。 そこまでは、電車三駅ぐらいのって徒歩で少しして所に在った。 「此処か〜、なんか探偵事務所には思えないな。」 それもそのはずだ、私の目の前にある建物は立派な事務所というよりは、古いプレハブみたいな感じだった。 その建物は二階建てで、一階と二階にそれぞれ四畳ぐらいの部屋がいくつかあって一階の一番奥に、探偵事務所と書いてあった。 そして、私は一番奥の部屋の扉を開けた。 ドアを開けると、正面のソファーに座っている男と目があった。 その男は、肌が白く顔は綺麗な女の人みたいだった。 私は、そのきれいな男に見入っていた。 「扉は、開けたら閉めるものだ親にそう習わなかったか?それにそこに居られると気が散るからそこをどけ。」 前言撤回ただの、毒舌男でした。 この部屋には、ソファーとテーブル一つ小さい冷蔵庫に棚が一つそして、いくつかのパイプいすが置いてあるだけの簡単な部屋だった。 毒舌の男が、もう一人の男の持っているカードを指差して言った。 「そのカードはダイヤの8だ。」 私は、驚きを隠せなかった。 「くっそ、また負けた。」 そう言って、金をおいていき男は帰って行った。 「でっ君は、此処は、どんな依頼をしに来たんだ。」 男は、金をしまいながら目も合わせずに聞いてきた。 「実は、母親を探して欲しいんです。」 「・・・・嫌です。」 「はっ?」 「どうせ、すぐ帰ってきます、それにそういう依頼は聞いてませんので。用が無くなったら帰ってくださいね此処意外と狭いんで。」 「なっあなた、一体どういう神経してるんですか?普通引き受けるでしょ!」 「じゃあ聞きますが、いつから居なくなったんですか?」 「えっえっと、三日前からです。」 「連絡を取ったことは?」 「居なくなってから毎日一回は必ずしてますけど。」 「では、留守電だったことは?」 「始めて居なくなった日と、二日目がそうでした。」 「では、話し中だった日は?」 「今日が話し中でした。」 「少なくとも来ています、少なくとも、今はでてった日より落ち着いていると思いますよ。」 「何で、そんなことわかるんですか?もしかしたら、事故に会って意識不明とか。」 「それは、少なくともありません、なぜなら、居なくなった日は貴方たち家族に電話されて間違ってもでないために留守電にしておいた。ですが二日たって気が緩み知り合いに電話をしていたから、通話中になった。きっとそんなところですよ、もしいるとしたら、その人の中が特別よかった人、もしそんな人が見当つかないのなら、浮気でしょうね。少なくとも、留守電から、話し中になったんです。生きていると考えるのが妥当ですよ。」 「・・・・判りました、自分で探しますよー。」 そう言って私は、ドアノブに手を伸ばした、すると、ドアには鏡が吊るしてあった。 「あっ、そういうことだったのね。」 「どうかしましたか?」 男は、ソファーで足をのばし寛ぎながら聞いてきた。 「さっき、男の人のカード当てたのは、この鏡を見てたからね!それで、気が散るとか言って私を、此処からはなれさせたのね。あんた、ホント最低ね。」 「お褒めに頂き光栄だ、だが、それを見破ったのは君が初めてだよ。」 「それはどうも。」 男は、ふっと笑ってから、言った。 「君は、ただの馬鹿に見えたがそうではなかったらしい、どうだ偶然とは言ってもこれを見破ったんだ此処でバイトする気はないか?」 「へっ?」
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