「もう大丈夫かな?」 「はい、すっすみませんでした。」 龍は、あそこで泣かれていると困るので瑞希を、自分の家まで連れてきたのだ。 「一つ聞いてもいいですか?」 「いいけど、何を?」 龍は、二人分のコーヒーを持って一つを瑞希に渡した。 「どうして私のこと覚えてたんですか?」 龍は、少し困ったような悲しいような顔をした。 「すいません別に答えられなかったらいいんです・・・ただ気になっただけなので。」 瑞希は、その顔が見てられず顔を伏せた。 「あのね、君に会ったのは、あそこが初めてじゃないんだ。でも、あそこで会ったのは偶然だけどね。」 「そうだったんですか!」 「なんか少し悲しいな。君の家の近くに僕は住んでたんだよ、でも引っ越ししてそこに来たからあんまり知らないのは無理もないかもね。」 「全然知らなかった。」 瑞希は、少しショックを受けた。 「それに君が、いつも学校に通う時に乗ってるバス、僕ものってたんだよね。それで何度も見てるから覚えてたんだ。」 「なんかすみません。」 「そんな事より、時間大丈夫?」 「えっああ平気です。」 「だったら、僕の行きたいところついてきてくれないかな?」 「へ?」
「あの・・行きたいところって此処ですか?」 「そうなんだ〜一度来てみたかったんだよね。」 そこは、近くの遊園地だった。 だが、そんなに大きくはなく人もあまりいない。 「混んでないから、色々まわれそうだね〜。」 「そうですね。」 そういうと、龍は子供みたいに瑞希の手をひっぱり走り出した。 「まずは、ジェットコ−スターに乗ろう。」 瑞希は、龍の笑顔に負けて、大嫌いな絶叫系を乗りまくったあげく、コーヒーカップを思いっきり回されてすごく目が回っていた。
「あの・・きっ気持ちが・・・・そろそろ帰らないと。」 此処に来てから結構な時間がたち、辺りは真っ暗だった。 「もうそんな時間か〜・・ねっあと一個だけいいかな。」 「一個だけですよ。」 またも、龍のねだる顔に負けて、一つ乗ることになった。 それは、観覧車だった。 少しすると、辺り一面が一望できる高さまで来た。 「すごくきれいですね。それと今日はすごく楽しかったですよ。」 「本当にですか?じゃあまた僕と此処に来てくれますか?谷山さん。」 瑞希は、また龍と来れると思ったらうれしくなった。 「はい、是非さっそってください。」 それから、二人は今日のことをたくさん話して観覧車を降りて龍は、瑞希を駅まで送ることになった。
「じゃあ、またそれと気お付けて帰ってね。」 「それじゃあまた。」 瑞希は、ホームに進みながら、見えなくなるまで手を振り続けた。
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