出会い
3年前 ガタン、ガタン、ガタン、ガタン・・・。 私は、東京からほど遠い田舎で暮らしている高校1年生の谷山瑞希。 なぜ東京に向かっているかというと、私の幼馴染だった、青樹結衣が中学卒業とともに東京に、引っ越しをしてしまい会えなくなっていたら、突然電話がかかってきて、いきなり会おうと言い出してきたからだ。
瑞希は、どんどん変わっていく景色を眺めながら、結衣のことを考えていた。 すると、誰もいなかったはずの隣の席には、気がつくと男の人が座っていて深く帽子をかぶり、寝ていた。 手には、東京行きの切符を握っていた。 「もうすぐ着くのに、寝てて乗り過ごさなきゃいいけど。」 そうこう言っている間に次がもう東京になってしまった。 「うーん起こしたほうがいいかな?でも文句言われたら嫌だしなー。」 「次は、東京、東京・・・・。」 「あーついちゃった、って早く出なきゃ。」 しかし隣の男の人は全く起きる気配はない。 「あのーもう東京に着きましたよ?起きたほうがいいですよ。」 瑞希は、思い切って、その男に声をかけた。 「う・・ん・・・・君は?。」 男は目をこすりながら起きた。 「あっあのもう東京ですから、起きたほうが・・。」 「東京・・・・東京なの?早く出なきゃ。」 男は、すぐに荷物をまとめて外に出た、瑞希もそれに続いて電車の外に出た。 瑞希は、お礼もないのかと少しだけ膨れていたら、さっきの男が声をかけてきた。 「君だよね?起こしてくれたの、ありがとね。」 さっきまで帽子を深くかぶっていたせいできづかなかったけど、非常に優美な目鼻立ちをしていた。 肌の色は雪のように白く陶磁器のようで、まつ毛はすごく長い。 さらに、瞳はすごく透き通っていて吸い込まれてしまいそうな感じがする。 身長は、170センチぐらいだが、体は細く、モデルみたいだ。 これは、例え方が判らないほどきれいだが、強いて言うなら、空から舞い降りた天使みたいだと瑞希は思った。 「あの・・・大丈夫ですか?ボウっとしてましたけど。」 「あ・・いえ別になんでもありません。」 「ならいいんです、ところでありがとうございました。あなたのおかげで乗り過ごすことなく東京に来れました、あっ僕、神祇龍っていいます。 「かみぎりゅう?」 「はい、そうだ貴方はなんていうんですか?」 「わ私は、たたた谷山水木です。」 「谷山さんですか、・・・あっそうだ僕急ぎの用があったんだ、じゃあ谷山さん、またいつかどこかで会いましょう。」 そうして、龍は改札口に行った。 瑞希は思った私は、人生のうちでこれ以上の恋はしないと。
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