スーパーに入ると、野菜と果物が並んでいる。 素通りして、お肉と魚のコーナーでお買い得品をチェック。 あっちゃんから声が掛かった。 「待った?」 「ううん。お魚、安くなってるけど、どうする?」 「気分は肉かな〜。生姜焼きとか。」 「キャベツとか生姜とか、使いきれないんだよなぁ。お昼、何食べたの?」 「マックで済ませた。」 「ジャンキーだね〜。和食にしない?肉豆腐ならいい?」 「じゃ、それで。肉、多めでね!!」 「了解、了解。じゃ、ネギと豆腐と。あ、酢の物も食べたいけど。お惣菜でいっか?」 「なんでもいいよ。酢の物に興味ないし〜。」 「あっちゃんは、そーだね。」 と、あっちゃんに笑顔を向けた。 顔で笑いながら、心はではホッとしていた。
よかった。 ジンギスカンの後で、生姜焼きは食べたくない。 日常の中で。 見せる表情と、気持ちが一致しないことに慣れていく。 一方で。 翔ちゃんが心をよぎる度、切なさに襲われる。 いつかは、けじめをつけなければ。と、焦っていく。
帰宅し、肉豆腐を作り、お惣菜を皿に移す。 冷蔵庫からビールを出し、食べながら今日あった事を話し始める。 あっちゃんの小気味良い冗談に、私も笑いながら返す。 当たり前の日々。 私が望んで、二人で仲良く暮らす幸せ。
別れ話をしたら、どんな顔をするだろう。 傷付けることを最小限にする、いい訳はないだろうか。
…都合の良い、勝手なことを考えて。 眠れない夜も増えていった。
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