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作品名:ココロ 作者:snow

第4回   4
少し車を走らせながら、高井が言う。
「ドコで食べる?」
私の知ってる店は、あっちゃんと行った所ばかり。
全然、知らない店がいい。

「高井さんにお任せしていいですか?」
「じゃあ。時間もないし、近くで。」

入ったのは、美味しいと評判の蕎麦屋だった。
サクッと食べて帰るのに調度いいし、変に気構えなくて済む。

気を使ってくれたんだな。と、思った。
「最初に少しだけ、飲むか?」
「高井さんは、ダメですよ。運転あるでしょ?」
少し、笑って言った。
「1杯くらい、平気だよ。」

1杯だけ。の、つもりでビールを頼んだ。

二人きり。
たまに、こういう時間はあったけど。
意識した後では、ワケが違った。

胸がいっぱいになった。
緊張もした。
悟られるのが、恥ずかしくて。ビールを追加してしまった。

この時、何を話したのか。
よく覚えていない。
取るに足らない会話だったと思うけど。
楽しくて。
嬉しかった。

気が付けば、つまみを注文し。
お酒を追加し。
最後に蕎麦を食べた。


「時間、大丈夫?」
高井に言われて、時計を見た。
3時間が過ぎている。
現実に戻った私は、寂しい気持ちになった。
「…帰ります。」
「タクシー、呼ぼうか?」
「いえ、まだ電車がありますから。高井さん、車はどうするんですか?」
「駐車場を移動して、適当に帰るよ。」

「ご馳走さまでした。」
「楽しかったよ、またね!」
高井が笑う。
私は、先に店を出た。

最寄りの駅は、スグそこだった。
また、高井の気遣いに気付いた。
すぐ帰るにせよ、ちょっとお酒を飲んでも。
困らぬように。の、店のチョイスだったんだ。

電車に乗ると。
自分が思うより、酔っていることにも気付いた。

あっちゃんに、何て言おう。。。



言い訳も思いつく前に、部屋に着いた。
「ただいま…。」
「遅いっ!!」
「ごめん、美奈ちゃんの話、止まらないんだもん。」
「メールくらい、出来るだろ。」
「だから、ゴメン!!」

あっちゃんの顔が見れなかった。
着替えて、メイクを落とす。
後ろから、あっちゃんの声が聞こえる。

「疲れたから。」
とだけ言って、ベッドに入った。

胸の中では。
さっきまでの高井の笑顔で、いっぱいだった。


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