仲のいい夫婦に一人の子供が産まれた。 『よくやった。初江、元気な男の子だ』 ものすごい喜ばしい顔で男性は言った 『(呼吸少し荒気に)はいっ』 と笑顔でこたえた。 和やかなムードに産まれた。
しかし、周りは騒がしかった。
『おい、となりの旦那も赤札召集きたらしいぞ』
『いよいよ、この地域からも兵隊さんにとられるようになったか・・』 そんな情勢だけど、この夫婦は子供にそんな空気を感じさせなかった。
『達雄、父さん。今帰ってきたぞ。今日も元気だな』
『あなた、仕事お疲れ様』
『あっ、さっきとなりの知名さんから、受診の代わりに芋もらったぞ』
『うれしい。さっそく蒸かして食べましょうか。達雄も食べる?』
『おいおい(笑)』 ものすごい楽しそうなに暮らしていた。
しかし、達雄が二歳の時に暮らしが少しずつ壊れ始めた。
『おい、金城さん家の旦那に赤札がきたらしいぞ』
『医者の金城さん家にか!小さなお子さんもいるのに、兵隊さんは容赦ないな』
『俺達もそのうちじゃないか・・』
『うん。。』
『じゃあ、行ってくるな。そんな顔をするな。。初江に達雄俺には2つの達雄宝 物があるんだ。だから必ず生きて帰ってくるから、いつも通り笑顔で見送ってく れ』
『・・はい。あなた行ってらっしゃい。』
『初江、達雄。行ってくるな!』
これが最後の父の言葉だった。達雄の父は戦線のまっただ中に飛ばされ、負傷し た仲間の兵を助けようとし、銃弾に撃たれたそうだ。 達雄の母は、そのことを達雄に感じさせないよう常に変わらない笑顔で、達雄を 育てた。 父がいなくなったが母のおかげで寂しい気持ちはあったが幸せだった。
達雄が三歳の誕生日を迎えるころ。。
『ウー・ウー(サイレンの音が鳴り響く)』
『空襲警報!達雄、母さんのところにきなさい。』
と、銃弾により家が崩れ始めた。。気付いたら母に抱きすくめられていた。
母からはたくさんの血がながれていた。。
『母さん・・』
『達雄。大丈夫だった・・。良かった。あなたは、私と父さんの宝物だから。母 さんはこれから先は、あなたの育っていく姿はみれない。でも、約束して。必ず 生きて幸せになるって』
初めて見た母の厳しい顔だった。。
『・・・はい。』
『やっぱ良い子ね。達雄は私たちの自慢の息子よ・・』 それが、母のとびっきりの笑顔と最後の言葉だった。
気付いたら、貴族風の男性の声が聞こえた。 『お疲れ様でした。規則ですので、すぐに2つ目の映像を流しますね』
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