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作品名:落ちる文の端 綴る言の葉 作者:烏丸

第1回   1
死にたい。

そんなのは所詮口ばかり。
それどころか、本当は口にだってした事なんて無い。

死にたい。

なんて、学生時代からこっそり書き溜めた日記にツラツラと書き連ねてあるだけ。

死にたい。
消えたい。

そう思い初めて早幾年。
毎年初詣で神頼みする

「今年こそは死ねますように」

決して叶う願いではない事なんて判っているけど。
毎日毎晩思うのだ。
死にたいと。
消えたいと。
だって、わたしを。
必要だと思ってくれている人なんかいないんだから。
ゴミは捨てられる。
豊かな現代社会でそれは常識で。
それならば、私は捨てられて然りの存在だ。
家でも会社でも、友人達の中に居たって、私はどこか異分子で。
それは性格と云えばそうかも知れないけれど。
だけど、違うんだ。
要らない、と。
思われているんじゃないかと、感じてしまう。
被害妄想上等。
だって、皆。
私が居ると会話を辞めるんだ。
邪魔なら邪魔だとはっきり云ってくれたら良いのに。
居心地が悪くて、泣きそうになる。
私に隠れて囁かれる会話は全て私の陰口じゃ無いのかと。
なかなか返ってこないメールはささやかな拒絶なのではと。
不安と不審に胸が潰れそう。
やっと今日が終わって、疲れたと横になっても暗闇では疑心暗鬼がひっきりなしに胸を騒がせる。
眠れない夜を煙草で誤魔化してみても、頭は冴えるばかり。
明日が来なければ良いのにと、願っても地球は自転を止めることなく朝はやってきて、嫌でも明日を連れてくる。
不安を耐え抜くために薬に手を出してみても得られたのは安定とは程遠くて。
ますます病んでいく内側。
私は何をしてるんだろう。


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